A Cycle of Celestial Objects by Admiral William H. Smyth うみへび座木星状星雲

                                      日本語訳 舟越 和己

【日本語訳】 うみへび座27H.IV. (h.3248; H.2102)  CCCLXXVIII.

うみへび座μ星の南2°、うみへび座の真中にある淡い灰色がかった白い惑星状星雲。
         

その大きさ、光量と色から、この素晴らしい天体は木星に似ています(訳注);その正体が何であれ
非常に巨大なものに違いない。それは1785年にW.ハーシェルにより発見されました。
 (訳注)この表現から「Ghost of Jupitor:木星状星雲」よ呼ばれています。
付近には望遠鏡で見える4つの星(上の図参照)があり、そのうちの二つは北西象限(np)と南東
象限(sf)に星雲からほぼ等距離に位置しています。北西象限の星から南東象限の星を通るライン
は、ちょうど星雲の円盤にタッチします。上の図の破線を参照。惑星状星雲に関するW.ハーシェル
のコメントはこの星雲にも適用できるので、ここにそれを転記します;

"これらの天体が我々から星と同じくらい遠いということを認めると、その実際の大きさは最も
少なく計算しても天王星の全軌道を満たすようなものであるに違いない。(この後の約10行は、
訳文では省略)"

[イタリアの澄んだ空で、セッキ(訳注)は有利な立場でこの星雲を見たと思われます:彼によれば、
円形の星雲の中に半円形のアーチにより接続された2つのクラスターがあり、星雲の中央には
霞んだ中に1つの星があります。(ロス伯は)パーソンズタウンで同様のことを記しています。
ハギンズ(訳注)はガスのスペクトルを検出しました。]

 (訳注)Angelo Secchi(アンジェロ・セッキ):イタリアの天文学者、イエズス会士

         Sir William Huggins(ウィリアム・ハギンズ:英国の天文学者(分光分析)