A Cycle of Celestial Objects by Admiral William H. Smyth M3
日本語訳 舟越 和己
【日本語訳】 りょうけん座M3 (h.1663; H.3638) CCCCXCII
猟犬の南と牛飼の膝の間にある少なくとも1000以上の小さな星の輝く美しい球状の集団: それは
中央に向かって見事に輝き、圧縮された南東象限を除く全ての方向に中央の球状から外れた星の
広がりを持っていて、透明なくらげ(訳注)と呼ばれる光る海洋生物の形のようです。
この素晴らしい天体は、北西(np)、北東(nf)、南東(sf)の各象限にある3つの小さな星が形成する
三角形の中に位置しています。そしてこの比較的明るい3つの星はM3を望遠鏡で見る視野に美を
付け加えます。
(訳注)原文はMedusa pellucens(透明なくらげ)→図の形がくらげのように見える。
M3は牛飼座α星の北西11°の所、牛飼座α星とりょうけん座α星のほぼ中間にあります。この
集団はコンパクトに詰め込まれた星々の球状体のひとつです;丸い形状は引力による結合を完全
に示唆します。M3は1764年にメシエにより発見されました。彼はそれを、"星を含まず、輝いていて、
球状である"と記述しています。彼の望遠鏡はこの天体を星に分解できないレベルだったに違い
ありません。彼のような人の努力がそのようなレベルの望遠鏡により制限されていたというのは
残念なことです。しかし、1784年にW.ハーシェルは20フィートの反射望遠鏡で挑戦し、
それが "視直径約5分角から6分角の美しい星の集団"に分解しました。