マクストフ望遠鏡の種類について

マクストフ望遠鏡は、ベースの光学系として何を採用するかにより種類が決まります。
ベースとなる光学系にはニュートン式反射望遠鏡の他に、
 ・1672年にフランスのカセグレンが設計したカセグレン式反射望遠鏡(副鏡が凸面)
 ・1663年にスコットランドのJames Gregoryが設計したグレゴリー式反射望遠鏡(副鏡が凹面)
  正立像が得られるのが特徴。
 ・ほとんどつくられていませんが特殊な型式としてハーシェル式反射望遠鏡
があります。

以上の3つをベースにしたマクストフは下記になります;

マクストフ・カセグレン(Maksutov-cassegrain)又はカセグレン式マクストフ
 →カセグレン式望遠鏡のマクストフ版(これは更に、副鏡のタイプによりグレゴリー型
 ルマック型があります)
   ・グレゴリー型マクストフ・カセグレン
    →メニスカスレンズの第2面をメッキして副鏡にしている。1957年にアメリカのJohn Gregory
      が考案(グレゴリー式望遠鏡のグレゴリーとは時代も国も別の人)。
   ・ルマック型マクストフ・カセグレン
     →メニスカスレンズと違う曲率で副鏡が設計してあるタイプ
    (注)Questar望遠鏡はマクストフ・カセグレンですが、上記のどちらのタイプでしょうか?
       →Questerはメニスカスの裏面を副鏡にしていますが、副鏡部分を磨いて非球面
        にしているということのようです。
         "Cumberland Optics who has been making the optics for Questar
         since the very early 1960's which is a Gregory type design aspherizes  
         one of the surfaces of the Mak. optics they produce to address this issue
         and better correct the wavefront vs an all spherical system.(cloudy nightsより)"

マクストフ・グレゴリー(Maksutov-Gregorian)又はグレゴリー式マクストフ
 →グレゴリー式望遠鏡のマクストフ版。副鏡が凹面。メニスカスレンズの向きも逆。
  正立像になる。LOMO社のAstele 60はこのタイプです。

  上記で、17世紀のJames Gregoryと20世紀のJohn Gregoryという同姓の人が登場するので
  話がややこしくなり混乱を招きかねません。2つを区別して使い分ける必要があります。
    @グレゴリー型マクストフ・カセグレン
    Aマクストフ・グレゴリー又はグレゴリー式マクストフ

●マクストフ・ハーシェル又はハーシェル式マクストフ
D.D. Maksutovの1944年の論文
 New Catadioptric Meniscus Systems, Journal of the Optical Society of America
を見ていると、マクストフ望遠鏡の例としてハーシェル型が載っていました。この型式だと
焦点距離が短くできそうです;

この型式の望遠鏡について関係する文献として下記があります。
Wright, Franklin B., "The Maksutov Lens Applied to Herschelian and Newtonian Telescopes",
in Volume 3 of "Amateur Telescope Making"