Sky & Telescopeの面白そうな過去記事タイトル一覧
SKY & Telescope誌(1941年11月の創刊から2009年12月まで)の面白そうな記事を1つに纏めました;
創刊は太平洋戦争勃発の1か月前で太平洋戦争中も変わりなく毎月発行され、今月の空のガイドや各地のスターパーティの紹介などが載っています。例えば、1944年11月号の表紙にはクリーブランドのスターパーティの写真が載っていて多数の人が望遠鏡を持って集まったのが紹介されています。1944年11月といえば、レイテ沖海戦があった頃で、日本は神風特攻作戦も実施されようとしていた時代です。
(1)概略見た中で面白そうなタイトルのピックアップ(年代順);
・1942年2月   The Pulkovo Observatory(プルコヴォ天文台)
・1942年9月   Sirius and Its Companion(シリウスとその伴星)
・1943年3月   Stars in Song and Story(歌や物語における星)
・1944年5月   BURNHAM (SHerburne Wesley Burnham)(S.W.バーナムの話)
・1947年8月   Drama of the Telescope
・1948年5月   Men and Stars(人と星)
・1948年11月  A New Atlas of the Heavens(Skalnate Pleso Atlas of the Heavens)
       →スカルナテ・プレソ星図の話
・1950年1月 SEEING(シーイングの話)
・1950年6月 The Roman Calender(ローマの暦)
・1951年3月   The Fraunfofer Lines(フラウンフォーファ線)
・1952年7月 Eclipse Obervations from a B-29(B-29からの日食観測)
・1953年8月、9月 Messier and his Catalogue(メシエと彼のカタログ)
・1955年11月 Quester望遠鏡紹介
・1956年9月 Swift's Forecast of Mars' Satellites→ガリバー旅行記の火星衛星の予言
・1956年9月 ASAPH HALL and the Moons of Mars→アサフ・ホールと火星の衛星
・1956年11月 Quseter Goes TO a Star Party(クエスター望遠鏡がスターパーティに出る)
・1958年3月 Henri Poincare and his Cosmology(アンリ・ポアンカレとコスモロジー)
・1958年9月   Orbits of Visual Double Stars(実視二重星の軌道)
・1960年10月  The Missing Messier Objects
・1966年1月 The Double Star Sirius(二重星シリウス)→前回の接近の頃の話題(6インチ
       伴星が見えていたとのこと)
・1971年1月、2月 Some Bright Visual Binary Stars
・1973年10月 A Historic Refractor's 100th Anniversary
       →米国海軍天文台の26インチ屈折の話
・1980年3月 What is a Rich-Field Telescope?(リッチフィールド望遠鏡とは何か?)
・1980年9月 Carl Sagan's"COSMOS"; Prime-Time Astronomy(カールセーガンのコスモス)
・1980年9月 The Orbit of a Visual Binary(二重星の軌道)
・1980年10月 Observing Variable Stars(変光星の観測)
・1980年12月 How the U.S. Naval Observatory Began, 1830-65
       →米国海軍天文台はいかにして始まったか
・1984年1月 Finding Your Telescope's Magnitude Limit(望遠鏡の極限光度を見つける)
・1984年10月 A Field Guide to Close Binary Stars
・1986年9月 John Bevis and a Rare Occultation
       →1737年5月28日の金星による水星の食の話
・1988年9月 Discovering the Moons of Mars(火星の衛星の発見)
・1992年3月   Optical Quality in Telescope(望遠鏡の光学品質)
・1992年6月 Behind the "Red Sirius" Myth→2000年前はシリウスは赤かった?
・1995年3月 Star-Test Your Telescope(望遠鏡の星像テスト)
・1995年9月 Tradition & Technology at Yerks Observatory(ヤーキス天文台の伝統と技術)
・1998年5月 To the Visual Limits
・2000年7月 Double-Star Measurement Made Easy →二重星の測定について
・2001年1月 DMITRI MAKSUTOV; The Man and His Telescope(マクストフの人と望遠鏡)
・2002年7月 "Ill Met by Moonlight" The Sinking of the USS Indianapolis
               →米国海軍巡洋艦インディアナポリスの沈没
・2003年2月   The Mystery of the Double Cluster(二重星団のミステリー)
・2003年9月 400YEARS of Uranometria(ウラノメトリアの400年)
・2008年8月 Caesar's Invasion of Britain(カエサルのブリテン侵略)
       →天文学との関係は日付
・2009年7月 Who Invented The Telescope?(望遠鏡を発明したのは誰か?)

(2)SKY&Telescopeの連載コラムにASTRONOMICAL SCRAPBOOKがありますが、
(これは隔月の記事)この中で面白そうなタイトルをピックアップしてみました(順不同);
・THE TRAPEZIUM IN ORION→トラペジウムのEからH星の発見の話(1960年2月)
・THE COMPANION OF RIGEL→オリオン座リゲルB自身が二重星であることを確認しようと
した話(1961年10月)
・THE COMPANION OF PROCYON: SOME PREDISCOVERY REPORTS →プロキオン伴星にまつわる
 オットー・ストルーベの話(1964年8月)
・THE CRUCIAL YEAR OF WILHELM STRUVE →ウィルヘルム・ストルーベとドルパト天文台の話
 (1963年6月)
・THE EAGLE EYE OF WILLIAM RUTTER DAWES(1973年7月)
 →二重星分離に関するドーズのリミットで有名なドーズの話
・HOW S.W. BURNHAM BECOME AN ASTRONOMER(1970年4月)
 →二重星観測で有名な S.W. バーナムの話
・S.W. BURNHAM'S LICK AND YERKES YEARS(1970年6月)
 →S.W. バーナムのリック天文台、ヤーキス天文台の時代の話
・LEON FOUCAULT'S HERITAGE TO TELESCOPE MAKING(1975年7月)
   →レオン・フーコーのテレスコープ作成への遺産
・THE VISUAL ORION NEBULA(1975年11月)→オリオン星雲のスケッチの歴史
・ABOUT A STAR OBSERVED BY OLBERS(1974年9月)→オルバースのパラドックスで
 有名なオルバースの観測した星について
・ SOME BUNCHINGS OF PLANETS(1973年11月)→惑星が集合して見える話
・ASAPH HALL FINDS THE MOONS OF MARS(1977年7月)
 →アサフ・ホールの火星の衛星発見


(3)その他の記事、広告等
・Leiden Observatory: 350 Year of Astronomy →ライデン大学天文台の350年(1985年2月)
・Quester望遠鏡の広告は表紙の裏面に毎月載っていますが、この中で「古代ギリシャの女性の
 服装をした人が右手にクエスター望遠鏡を持ち、左手に格納ケースを持っている」広告が目を
 引きました。説明などは一切なく、片隅に小さくQUESTERの文字があるだけで、全面に古代
 ギリシャ風の女性の全身の姿と手に持っているクエスター望遠鏡のみの広告です。米国は歴史
 が新しい国なので古代ギリシャへの憧れが強いのかもしれません。コーネル大学など米国の
 アイビーリーグの建物はギリシャ神殿の様式を取り入れたものが多いようです。
 Quester望遠鏡の広告にはこの他にいろんなバージョンがあります。少年がクエスター望遠鏡
 で星を見ているものなど。また、Quester12インチの広告も載っていました。

SKY&Telescopeの記事の英文のレベルはどの程度でしょうか?
記事の内容にもよりますが、歴史関係は天文以外の話題にも及ぶことがありやや難しいかもしれません。米国の
週間雑誌TIMEのサイエンス欄の天文関係の記事と較べた場合、難易度にそれほど差はないようです。(TIMEの
サイエンス欄の天文関係の主な記事は1980年頃から1990年代終わり頃までスクラップ帳に残しています)
→この意味では、難しくはないレベルですが、立板に水を流すように辞書なしでスラスラ読めるほど易しくは
ないと思います(特に歴史関係。ギリシャ、ローマの古典に関係するものなど)。私の読み方は、興味のある
記事は日本語に全文訳しながら読んでいます。この過程で不明点は辞書やWebで調べます。多少時間がかかり
ますが全文を理解するのには有効です。