星見雑記帳 2020年2月〜

12月27日(日)

年(2019年)の7月頃にネットで
"2000年以上にわたって科学者を悩ませた「レンズの収差問題」がついに解決される"
https://gigazine.net/news/20190708-aberration-problem-solved/
というのが話題になりました。
「完全に球面収差を解消したシングルレンズを解析的に設計するにはどうしたらよい
のか?」という問題(Wasserman-Wolf問題)を解決する公式を発見した、という内容で
した。この問題を解決したメンバーが最近、下記の本を出しました;


この本の序文には、
「光学設計の支配的なパラダイムは近軸光学から広まった最適化手法や概念にほぼ
完全に基づいています。このパラダイムの問題は数学的な厳格さが失われているという
ことです。本書の目的は、フェルマーの原理とスネルの法則という2つの公準のみを使用
して(近似式でなく)数学的厳密さでレンズ設計の理論を開発することです。フェルマーの
原理とスネルの法則は我々の公理です;本書の結果は(これら2つの公理から式により
導かれた)定理、補題、系です。」
と書かれています。
公式を導く計算は少し面倒ですが、高校の数学で理解できる内容なので順を追って読んで
いけば理解できます。

この本の主な内容
T 単レンズの第一面が放射対称(radially symmetric:軸を中心にして対称 )のとき、
  @球面収差のない単レンズを設計する公式
  A非点収差のない単レンズを設計する公式
  Bコマと球面収差のない単レンズ(Aplanatic singlets)を設計する公式

U 単レンズの第1面が平面のとき、
  Spherochromatic singletを設計する公式
  →Spherochromatic singletとは、球面収差と色収差が減少するように設計された
    単レンズです。減少の量は、スポットダイアグラムで3色がエアリーディスク内に
    入ることです。また、第1面は平面とします。対象から発せられた3色が第2面を
   通過するときに色消しとなるように設計します。


V 単レンズの第一面が自由曲面(freeform shape)のとき
  球面収差のない単レンズを設計する公式



10月23日(金)
先週(10/16〜18)は第4回Deepsky観望会in鬼ヶ城があり参加しました。
天気はあいにくくもりや雨でしたが参加者との交流を深めることができました。
二日目(10/17)の様子は井上さんのブログに詳しく載っています;
https://skymusic-fun.blog.ss-blog.jp/

9月10日(木) 10/4修正
福島県田村市の第9回星の村スターライトフェスティバル2020は
10/9〜10/11の予定で開催されます。

内容とスケジュールは福島県田村市のHPにあります;
lhttps://www.city.tamura.lg.jp/soshiki/20/hosihomura-ibentojouhou.html


8月19日(水)

数学の雑誌「現代数学」2018年1月号に珍しく幾何光学の話が
載っていました。タイトルは、「幾何光学の古典的問題ー反射して
平行光線になる曲面ー」です。
放物面の焦点から発した光は、放物面に反射して平行な光線族となり
ますが、この逆は成立するか?という内容です。すなわち、一点から出た
光線が反射して平行光線族となるよう曲線は放物線に限る、ということの
証明が載っていました。これは案外教科書に載っていないのではないか
とのことです。この記事の著者は数学者の一松信氏です。
「現代数学」という雑誌は、現代数学の話題や大学院入試の数学問題など
数学科の学生や数学マニア向けの月刊誌です。数学では他に月刊誌として
「数学セミナー」があります。ちょうど天文で天文ガイドと星ナビがあるような
ものです。




8月13日(木)

フランスで出版された12.5cmX19cmというポケットサイズでイラスト中心の
初心者向けの本「Observer les etoiles et les planetes(星と惑星の観測)」
を入手しました。
このシリーズの一つ「屈折と反射望遠鏡での観測」にくらべると、書いて
ある内容は特に目新しいものはありません。


7月24日(金)
7/19(日)は久しぶりに快晴となり話題のネオワイズ彗星を見ること
ができました。場所は茨城県高萩市のさくら宇宙公園です。
空が暗くなり北斗七星が見えるようにようになったとき双眼鏡で
はっきり尾が見えました。クエスターで拡大すると中心が輝きコマ
も良く見えました。双眼鏡では視野の1/3に渡り見えて彗星らしい
見え方でした。

7月18日(土)
去年の8月末に注文していたQuestar 7ですが、今年6月納期予定が
新型コロナの影響で遅れています。先週メールで状況を確認したところ
8月中には発送準備ができそうだとのことでした。もっと遅れるかと
思っていましたが2か月遅れで済みそうです。

7月3日(金)
つい最近販売された学習用天体望遠鏡MAKSY(マクシー)
を購入しました。口径60mmのマクストフカセグレン。
クエスター3.5と並べた写真です。
正立プリズムなので地上用としても使えます。
また、スマートフォンアダプターもついています。
地上の風景を見た限りでは良く見えます。
(7/13追記)これで「卓上三脚の望遠鏡」が2台になりました。
3台目(7インチマクストフ)も卓上三脚の望遠鏡になる予定です。




6月30日(火)
先週、北茨城市のあじさいの森に行ってきました。ここは1200種2万8千株が
広大な敷地に植えられています。人は少なくゆっくり見れました。





新型コロナ感染予防のため4月、5月は観望会がありませんでした。
6月に入り6/20には「すばる天文同好会」の定例観望会、6/21には
たかはぎ街中観望会の部分日食観望会がありましたが、あいにく
どちらも曇天でした。部分日食も全く見れませんでした。

3月4日(水)
小型のスクリーンドーム(直径2.0m)を設置すると次のようになります。
これは2.6mのスクリーンドームを上半分にしたようなものです。軽量で
設置が簡単です。これなら部屋に常設してもじゃまになりません。
スクリーンドームは何れも渡辺教具製作所の製品です。
地図の専門店「ぶよお堂」のHPから購入することができます。



2月28日(金)
自宅の2階の部屋にスクリーンドーム(直径2.6m)を設置してみました。
ドームの下のテーブルの上に置いているのは100万個の星を投影する
メガスター クラスです。一般向けの観望会で天気が悪い時の移動プラネ
タリウム等、自宅以外で使うときはタープテントに吊り下げます。


メガスター クラスで投影した星空:ペルセウスからカシオペア〜とかげ座にかけての天の川。
リアルな星空のように見える(スマートフォンで撮影)


メガスター クラス本体とハンディコントローラ


クエスター3.5とのサイズ比較です;