A Cycle of Celestial Objects by Admiral William H. Smythの牛飼座ε
日本語訳 舟越 和己
【日本語訳】 牛飼座ε (Σ.1877) DXX.
牧夫の左腰にある航海暦の星;おおぐま座の尾のζ星から尾の先端のη星のラインを南南西に
延ばし、そのラインが牛飼座α星とかんむり座αの中間に行くまでに出会う明るい星が牛飼座εです。
主星A3(注)で淡いオレンジ色、伴星B7(注)で青みがかった緑色です;それらの色ははっきりと
違いが分かり非常に対照的です。W.ストルーベ が "プリケリマ(最も美しいもの)"と呼び、(船舶格付け
の)ロイドなら最上級クラスA1に相当するような、この美しい天体はハーシェルの二重星カタログの
1番目に登場します;
(注)A1, B7の意味はSmyth intoroの二重星の明るさの表現について
を参照(2024年4月22日修正)。
そしてこの天体は、細かな星がたくさん散りばめられた天空の一部にあるような単なる方向が同じ
だけではない、伴星が重星のパートナーであると結論付ける根拠を与えています。その後の観測は
これを確かなものにしています。[そして現在、離角に変化はありませんが位置角は僅かに増加して
いることが確認されています。"伴星Bの色はエメラルドグリーンです。" ? Brodie.]
εBootisはプトレミーのπερ?ζωμα(訳注)ですが、いろいろな天体のカタログではゾーンや
ガードルを意味するアラビア語のIzar(イザール)として現れます。それはまた、腰巻きやエプロンを
意味するMizarとも呼ばれます;そしてアラビア語の誤記によりMirar、そこからアルフォンソ天文表
のMererやMeirer、次いでMiracやMicarに変化しました。
(訳注)・περ?ζωμα(ギリシャ語):girdleの意味
・2004年のデータによれば、位置角:343°離角:2.9"