スターウオッチング関係の本(*)紹介他             English version
(*)天体写真関係の本はありません(天体写真には興味ないので)。
1.洋書でスターウオッチング関係は、下記です;
(1)Admiral William Smyth 'The Bedford Catalogue'
  Willmann-Bell 1986
  
  本書は、19世紀の天文家スミス提督(Admiral William Smyth)の星雲/星団等の
  観測記録です。スミス提督は、大英帝国海軍引退後に5.9インチ屈折望遠鏡などで天体観測を
  始めた人。うみへび座の木星状星雲の名は、スミス提督が「From its size,equitable light,
  and colour,this fine object resembles Jupiter;」とこの本に記したことに由来するそう
  です。
(2)Editor:Bob.Argyle 'Observing and measuring Visual Double Stars'
  Springer-Verlagの'Practical Astronomy'シリーズ 2004年発行
 11名の執筆者が二重星の軌道やマイクロメータによる測定、二重星の分離など二重星観測全般
 にわたり書いています。
  
(3)Paul Couteau 著 Observing Visual Double Stars  MIT Press 1981 仏文からの英訳
 (著者は、仏ニース天文台のスタッフ・アストロノマ−。1923年生れ。
  D=74cm、f=17.89mの大屈折望遠鏡により2000個近くの二重星を発見。)
  
(4)19世紀の天体観測家Thomas Webbの著「Celestial Objects for Common Telescopes」
  Volumes I,II DOVER文庫版(ペーパーバック)
 (Volumes I は、Part I : The Instrument and the Observer 及びPart II : The Solar
  Systemから構成されています。Volumes II は、Part III : The Starry Heavensという
  タイトルで恒星、二重星、変光星、星雲/星団について書かれています。)
        
  Webb自身の観察メモや当時の著名な観測家のコメントが書かれていて現代のアマチュア
 天文家にとっても非常に興味深い内容です。
 Thomas Willam Webb(1807-1885)は「アマチュア天文家の父」と呼ばれ、観察ノート
 を纏めた上記Celestial Objects for Common Telescpoesの著者として有名だそうです。
 月面のクレーター名にもなっています(Webbクレーター:ラングレヌスの北にある大きさ
 22kmのクレーター)。
(5)SKY&TELESCOPE Observer's Guides: CITY ASTRONOMY
 →光害に悩む都市に住む天体観測者のための本。
(6)SKY&TELESCOPE Observer's Guides: THE DEEP SKY
 →DEEP SKYのスケッチ(Eypiece Impression)が多数のっています。
(7)THE Messier objects ,S.J.O'meara著 SKY PUBLISHING
 →Genesis 4インチ屈折でのメシエ天体スケッチ集。最近、日本語訳が出ました。
  (ニュートン出版からメシエ天体ガイドという題で出版)
   
(8)Turn Left at Orion,CONSOLMAGNO&DAVIS著 Cambridge
 →小望遠鏡での見え方をスケッチを示し解説。非常に良い入門書。
   
(9)Star-Hopping for Backyard Astronomers ,Alan M.MacRobert著 SKY PUBLISHING
(10)Messier's Nebulae & Star Clusters,Kenneth Glyn Jones著 Cambridge
 →メシエ他過去の著名な観測者のスケッチやコメントが記載。
   
(11)STARWARE 1st Edition ,Philip S.Harrington著 John Wiley & Sons
 →望遠鏡、アイピース、その他星見のアクセサリーが満載。
 (現在は、第3版になっています。)
   
  STARWARE のホームページは、下記です。
  http://ourworld.compuserve.com/homepages/pharrington/
(12)High Resolution Astrophotography,Jean Dragesco著 Cambridge
(13)Star Testing Astronomical telescopes,H.R.Suiter著 Willmann-Bell
  →天体望遠鏡の精度等のバイブル的な本。
   
(14)Telescope Optics: Evaluation and Design by Harrie Rutten Willmann-Bell
  →望遠鏡の光学系の設計・評価に非常に参考になる本です。
   
(15)Star-Hopping ,Garfinkle著 Cambridge
(16)The Australian guide to STARGAZING,GREGG D.THOMPSON著 Lansdowne
  →南半球の天体の紹介。(オーストラリアのパースの本屋で購入)
(17)The Quest for Comets,David H.Levy著 AVON BOOKS
  →著者は、木星に衝突したSL9彗星の発見者。
(18)Observing the Moon:The modern astronomer's guide
 (Gerald North著 CambridgeUniv. Press)
  →月面の代表的な地形の見え方が望遠鏡での約50枚のスケッチと多数の写真で説明されて
   いてなかなか良い本だと思います(A to Z of selected lunar landscapes)。
   この本には、Miyamori Valley(宮森谷)のスケッチも載っています。月の明暗境界線
   の移動により谷の陰影が変化していく様子を「the shadow fades away,like the grin
   of a Cheshire cat,at the eastern end of the 'valley' as the terminator moves
   westwards.」と表現してあります。
   この文章の中の「like the grin of a Cheshire cat」は、辞書で調べると「むやみに
   にやにや笑う(Alice's Adventures in Wonderlandより)」とありますが、「不思議
   の国のアリスに登場するチェシャ猫がニヤニヤ笑いをしたあと横に広く口を少しずつ閉じ
   ながら消えて行く様子」のことのようです。
   
(19) The History of the Telescope (HENRY C.KING著 Dover出版)

2.天文一般、宇宙論関係
(1)Carl SaganのCOSMOS、S W.HawkingのA BRIEF HISTORY OF TIME(From the Big Bang to
 Black Holes)は、何回も読むくらい好きな本です。(COSMOSは、TV放送されたVideo7巻があり
 ます。約二百数十ドルで購入しました。HawkingのA BRIEF HISTORY OF TIMEは、カセットブック
 で朗読を聞きながら読みました。)また、映画で主演したJodie FosterによるCarl SaganのCONTACT
 原本の朗読(美しい英語の発音)を聞くのもなかなか良いものです。
   
(注2)Carl Saganの本で序文の最後には必ず「Ithaca,N.Y.」という地名が書かれています。これは、
    Carl Saganが教授をしていたコ−ネル大学のある地名です。私が仕事でニューヨークへ行って
    いた時、週末を利用してこのIthacaの町を訪れました(1990年)。この時、コ−ネル大学
    を背景に撮った写真が下記です。マンハッタンのグランド・セントラル駅から列車で6時間、
    さらに車で数時間の小さな町でした。東部名門(アイビーリーグ)の大学がこんな辺鄙な所に
    あるとは知りませんでした。
    (丁度この時期に近くのシラキュース大学に留学していた友人の車で案内してもらいました。)
             
   Carl Saganの本で持っているもの;
     
    ・COSMOS(20年以上前に購入)
    ・CONTACT
    ・Billions&Billions
    ・Shadows of Forgotten Ancestors(→日本語訳本の題名は、「はるかな記憶」)
    ・Broca's Brain(→ニューヨークの書店で買いました。)
    ・The Dragons of Eden(→日本語訳本の題名は、「エデンの恐竜」)

(2)仏文の宇宙論関係の本
   ・La Science de L'univers(Etude sur les origines de la cosmologie contemporaine)
    →Kant,Laplace,Herschelの宇宙論の研究。(著者は、哲学者のJacque Merleau-ponty)

3.読んで面白かった日本語の本/雑誌(天文/光学関係)
  少し古い本や雑誌が中心です。最近の本や雑誌に魅力あるものが少ないということの反映で
  しょうか。特に最近の雑誌は、天体写真に興味のない者にとっては読む所が殆どないような
  感じです。
 
  ・星百科大事典 R.バーナムJr著 斉田 博訳 地人書館
   →有名な天体観測ガイドブックの日本語訳。中古で入手しました。 
  ・望遠鏡発達史上・下 吉田正太郎著 誠文堂新光社
   →屈折望遠鏡、金属鏡、ガラス反射望遠鏡の歴史。
  ・天体望遠鏡の作り方 木辺成麿著 誠文堂新光社(昭和16年発行の古い本です。)
   
  ・天体望遠鏡ガイドブック 小森幸正著 誠文堂新光社(昭和44年発行の本です。)
    日本語の本としてはモノセントリックアイピースやファイラ−マイクロメーターの説明
   が詳しい。
   
  ・よくわかる天体望遠鏡 吉田正太郎著 地人書館
  ・エリア別ガイドマップ 月面ウォッチング A.ルークル著 山田卓訳 地人書館
   →クレータ−名の由来が詳しい。
  ・フィールド版スカイアトラス E.Karkoschka著 白尾元理訳 丸善
  ・星座ガイドブック春夏編、秋冬編 藤井旭著 誠文堂新光社
   →二重星の説明が参考になります。
  ・見ておもしろい星雲・星団案内 大野裕明著 誠文堂新光社
   →小型望遠鏡(6cm、8cm、20cm等)による星雲・星団のスケッチ集。
    当時は日本の空の状態も良かったのか、現在ではここに書かれているように
    は見えないと思います。
   
  ・天文アマチュアのための天体スケッチ入門 安達誠著 誠文堂新光社
  ・天文ガイド1982年8月臨時増刊
   →特集に「天体望遠鏡カタログ」があり、当時の望遠鏡がよく分かります。
  ・季刊「星の手帖」1983年冬号
   →特集に「小型屈折望遠鏡」があり、当時の6cm〜10cmクラスの望遠鏡(FC-65,
    PENTAX-65,UNITRON75,Nikon10cmEDなど)が設計者へのインタビューと一緒
    に載っています。
  ・天文ガイド1985年2月臨時増刊
   →特集に「天体望遠鏡広告20年史」があり、過去の望遠鏡の登場時期が分かります。
  ・月刊天文1994年5月号→Zeiss APQ100/640のTEST REPORTが載っている。
    (私が知っている限り雑誌でのZeiss APQの唯一のテレスコープレビュー記事
     →インターネットではCloudy nightにAPQ100FとAPQ130のレビューが載って
      います。APQ100Fは、統合Zeiss前のAPQ。鏡筒のデザインが異なる。)
  ・月刊天文1994年7月号→回折像と二重星。波長別の回折像の大きさなどが載っている。
  ・月刊天文1995年2月号→特集に「ベストの天体望遠鏡とは?反射、屈折、カタディオ
   プトリックどれが天体望遠鏡にベストの光学系か」があります。
  ・スカイウオッチャ−1992年12月号→「ライフスタイルで考える望遠鏡」という
   特集(アウトドア型、都市マンション型、郊外一戸建型、ビギナー型など)は今でも
   望遠鏡を選択する際の参考になる記事。
  ・天文と宇宙 荒木俊馬著 恒星社(昭和18年発行の古い本です。)
   
  ・ファーストコンタクト(地球外知性体と出会う日)金子隆一著 文春文庫
   →内容はSETIに関する科学の現状についての非常にまじめなレポート。
  ・失われた時空間の謎(新しい宇宙論)光瀬 龍著 青春出版社
   →SF作家が宇宙の謎に挑む。
  ・ツアイス 激動の100年 アーミン・へルマン 中野不二男訳 新潮社
  ・カールツアイス 創業、分断、統合の歴史 小林孝久著 朝日新聞社
  ・コンタックスとツアイス・イコンの肖像 ワールドフォトプレス
  ・雑誌ラピタ1995 VOL.3夏号
   →特集に「新のぞき道具」があり、双眼鏡等の紹介有り。
  ・ゴムの惑星 赤瀬川原平著 誠文堂新光社
   →クエスター3.5インチ購入の時の話が載っています。
  ・地球外文明の思想史 横尾広光著 恒星社
  ・天文不思議集 創元社「知の発見」双書

4.読んで面白かった海外天文雑誌記事
  ・S&T DECEMBER 1995→Dmitri Maksutov's Scientific Legacy(マクストフ望遠鏡
   の発明者の経歴など)
  ・S&T DECEMBER 1995→Drawing the Sky(20cm反射による天体スケッチレポート)
  ・S&T JULY 1995→Nebula Filters for Light-Polluted Skies(ネビュラフィルターの
   テストレポート)
  ・S&T April 1995→Obsrver's Page に「Planetary Nebulae from City」という記事有。
   都市において小望遠鏡(Questar3.5)で惑星状星雲がどこまで見えるかというレポート。
  ・S&T JANUARY 1997→ETX90のTEST REPORTに「ETX versus Questar 」という記事が有。
  ・S&T DECEMBER 1998→The Chance of Finding Aliensという記事はDrake equation
   N=R*fp*ne*fl*fi*fe*Lの各ファクターの説明が興味深く書かれている。
  ・Astronomy September1995→TeleVue's New Binocular Viewerのレポート記事。
  ・Astronomy JUNE 1990→4つの4インチクラス望遠鏡のテストレポート記事。
   4つの望遠鏡とは、Astro-Physics 4-inch StarFire 102 , Celestron SP-C102F ,
   TeleVue Genesis ,VERNONscope 94mm f/7 Brandonです。
  ・Astronomy Observer's Guide 1996→米国で販売されているTelescope,Accessoriesの
   一覧。これを見ると内外の価格がよく分かります。
  (例)Zeiss APQ100/640の鏡筒のみの価格は、この本では米国で4750ドル。
     ちなみにAPQ100/640の1995年当時の日本での価格は、鏡筒のみ(ドロチューブもワン
     タッチ交換マウントもファインダーもなし)で627000円。ドル円レートからすると日本
     での価格は許容範囲内?ファインダーと接眼部(ドロチューブ+ワンタッチ交換マウント
     +天頂プリズム)を付けた価格は762500円でした。10cmのアポ屈折としてはかなり
     高価な部類です。(タカハシFSQ-106の2倍近く、Tele Vue-NP101の1.5倍位の価格。)
    
5.天文・宇宙以外で好きな本(一部紹介)
(1)Godel,Escher,Bach :D.R.Hofstadter著(著者の博識とパワーには圧倒されます。)
(2)古代ローマ史(古代ローマ関係の本はかなり集めました。最近では塩野七生のローマ人の物語等
   を読んでいます。Architecture of the Roman Empire など古代ローマの建築にも興味があり
   ます。Gibbonの"The decline and Fall of the Roman Empire"を読むのが今後の目標です。)
   
(3)岡潔の随筆集(「春宵十話」、「春風夏雨」など)
   →数学上の発見/創造とは何かが述べられています。
   
   私は、大学で多変数関数論を専攻し、岡潔の論文集"Sur les fonctions analytiques
   de plusieurs variables"を勉強しました。(これを読むために仏語が必要でした。)
   Springer-verlagから出版された英訳のKIYOSHI OKA COLLECTED PAPERSもあり
   ます。Okaの論文は短いのも多いですが、結構難しいです。K.Okaの論文は第1から第10
   論文まであり、これをを読むためには、19世紀の数学者CousinやHartogsの論文を読ん
   でおくとOkaが解決しようとした問題の歴史的背景が分り理解しやすいと思います。
   上空移行の原理という問題の困難さを次元を上げることにより解決する手法や不定域イデ
   アルというその後シーフ理論の元になったと云われる概念など独創的アイデアが随所に
   みられます。日本語で概要を知りたければ、西野利雄著「多変数関数論(東京大学出版会)」
   が良いのではと思います。Poincar´e‐Cousin‐Rungeの問題や擬凸状領域と擬凹状集合
   などが載っています。
   
   フランス語の原論文とその日本語訳も公開されています。
   →http://www.lib.nara-wu.ac.jp/oka/fram/koron.html

   フランス語の勉強で学生時代に読んだ本(アンドレ・ジイドの「狭き門(La porte etroite)」);
   
(4)高田博厚(彫刻家)の随筆集(「分水嶺」、「形の美のために」など)
(5)ある通商国家の興亡<カルタゴの遺書> 森本哲朗著 PHP文庫
   →アメリカと日本の関係がローマとカルタゴの関係に良く似ているという指摘。
(6)文明が衰亡するとき 高坂正尭著 新潮選書
(7)道元禅師の「正法眼蔵」(中山書房から出版されている英訳本「The Eye and Treasury of the True
    Law(全4巻)」は、現代英語訳なので読みやすく書いてあり参考になりました。)
(8)SFでは、Auther C.Clarkeの本。「遥かなる地球の歌」には感動しました。
(9)H.KOBAYASHI著 Modeling and Analysis:An Introduction to System Performance
   Evaluation Methodology(待ち行列理論と計算機モデルへの適用のわかりやすい解説書)
   
(10)Fencingの本:Muriel Bower著 FOIL FENCING
   (基本技術や戦法などが写真付きでわかりやすく解説されている。)
      
                   (以前使っていた道具)


下の写真は、The Easton Press社のMasterpieces of Scientific Fiction(Collector's Edition)の一部です。
      
  
著者と書名は、現状下記です。Collector's Editionというだけあって重厚な装丁です。(毎月1冊配本)
英文のトレーニングも兼ねて読んでいこうと思います。
(1)Alfred Bester  The Demolished Man      (2)Arther C.Clarke  Rendezvous with Rama
(3)Arther C.Clarke  Childhood's End       (4)A.E.Van Vogt  The World of Null-A
(5)Ann McCaffrey  Dragonflight(著者のサイン入り) (6)C.J.Cherryh  Downbelow Station
(7)Daniel Keyes  Flowers for Algernon      (8)Elizabeth Ann Scarborough  The Healer's War
(9)Edgar Rice Burroughts  At the Earth's Core  (10)Frederik Pohl  Gateway(著者のサイン入り)
(11)Fred Hoyle  The Black Cloud         (12)Frank Herbert  Dune
(13)George Orwell  Nineteen Eighty-Four    (14)George Zebrowshi  Brute Orbits(著者のサイン入り)
(15)Isaac Asimov  The Gods Themselves    (16)Isaac Asimov  The Foundation Trilogy
(17)James Blish  A Case of Conscience    (18)Kim Stanley Robinson  Green Mars
(19)Larry Niven  RingWorld          (20)Lois McMaster Bujold  Falling Free
(21)L.Sprague de Camp  Lest Darkness Fall  (22)Larry Niven  The Mote in God's Eye
(23)Poul Anderson  Tau Zero         (24)Philip Jose Farmer  To Your Scatterd bodies Go
(25)Philip K.Dick  The Man in the High Castle (26)Ray bradbury  The Martian chronicles(著者のサイン入り)
(27)Ray bradbury  Dandelion Wine      (28)Roger Zelazny  This Immortal
(29)Robert A.Heinlein  Stranger in a Stranger Land
(30)Roger Zelazny  Load of light       (31)Theodore Sturgeon  more than human
(32)Ursula K.Le Guin  The Dispossessed   (33)William Gibson  Neuromancer
これ以外にも多数有り、全巻配本が完了しました(膨大な量のSF全集でした)。

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