星見雑記帳 2017年1月〜

12月27日(水)
■APQとクエスターの見え方比較(その4)
寝る前にベランダから空を見ると大犬座が良く見えていたので、いくつかの
星団で見え方を比べました。今回は、APQの口径を6cm, 7cm, 8cm, 9cmに
絞れるように筒先につける絞りを作りました;

(左から、6cm, 7cm, 8cm, 9cm用の絞り)
今回見た天体は、NGC2362(τ星団), M41, M46, M50です。冬の真夜中
なので透明度は非常に良く、クエスターの見え方はAPQに負けないくらい
良く見えました。APQに6cmから順に絞りを付け替えてみると、8cmか9cm
のときの見え方がクエスターの見え方に近いようでした。6cmや7cmでは
クエスターの方が明るく良く見えます。前回の比較では7cm相当としましたが
今回は前回よりもクエスターの見え方が良いようです。今回は、クエスター
の筒先に付けていたプロテクションフィルターを外して見たので、その差かも
しれません。

■今年の同好会の定例観望会の結果
 1月:○、2月:×、3月:○、
 4月:×、5月:△、6月:×、
 7月:×、8月:×、9月:×、
 10月:×、11月:×、12月:△
 →毎月1回新月付近の土曜日に実施されていますが、6月から11月までは
  全滅でした。

■パワーガイドIIIの電源
 クエスターのパワーガイドIIIの電源は9Vのアルカリ電池ですが、消耗が早い
(観測に行く毎に新しい電池を購入しなければならない)ので通常の電池から
充電式の電池に切り替えました。



2017年12月19日(火)
今日はAPQの対物レンズセルを外して清掃をしました。対物レンのセルは
次の写真のようになっています(APQのレンズセルは中央のフローライト
エレメントの温度膨張率に適合した真鍮から作られているそうです);

シリアルナンバーは、97008 です。
対物レンズセルを外したときに鏡筒の内部を覗いて遮光環を見てみました;

→遮光環は2つあり、アリガタレールの上に設置されています。これをよく見ると
 遮光環と鏡筒の内側の間には隙間があります。
これについては、以前読んだScience Forumsのastro amateurの2004年6月のスレッド:
Zeiss APQ 150, More Commentsに興味深い記述があります;
「 The tube baffles are not simple annular rings pressed into the tube.  They are
annular rings which are smaller in outside diameter than the tube, and are suspended
inside the tube by a central mounting bar.  As a result, tube currents during cooldown
are allowed to flow along the tube wall and are not deflected into the optical path like
a standard baffle would.(鏡筒の遮光環は鏡筒内に押し込まれた単純な環状リングでは
ありません。それはリングの外側の直径が鏡筒よりも小さく、(アリガタの)マウンティング
バーにより鏡筒の内部に立てかけられています。その結果、クールダウン中の筒内気流
は鏡筒の内壁に沿って流れ、通常の遮光環のように光路の方へ筒内気流を向けてしまう
ようなことはありません)」
→APQは細かいことにも注意して設計されているようです。


2017年12月17日(日)
・昨日は同好会の今年最後の定例観望会でした。天気は夕方から雲が
出てきて、晴れ間の部分と雲の部分が混在するあまり良くない天気でしたが、
晴れているところを狙い、アンドロメダ大星雲、スバル、二重星団、M15、海王星、
オリオン大星雲などが見れました。
・ミトの近況です。今年に入って足腰が弱くなり、最近は観望会へは参加して
 いません。おしめを常時するなど少し介護状態ですが、後ろ足が弱くなって
 歩くのがよろよろしている以外は食欲もあり部屋の中で元気にしています。
 散歩は週に2〜3回短時間です。来年の2月で16歳になります。


2017年12月10日(日)
昨日は天気が良かったので同好会の臨時観望会がありました。
私は、APQ100/640とクエスター3.5の見え方の比較を行いました。



比較した主な天体は、アンドロメダ大星雲、オリオン大星雲、二重星団、亜鈴星雲、
リング星雲です。惑星状星雲以外はいずれも、APQを口径7cmに絞ったときの
見え方がクエスターの見え方そっくりでした(見えている星の明るさや星雲の
見え方)。クエスターの星像は周辺まで非常にシャープでAPQに良く似た見え方
です。スパイダーのないマクストフの見え方がアポクロマート屈折に似ていること
が良く分かります。この日、その他見たものは、M1, M35, M41, M79, NGC253
などです。南の空の方角は日立市の明かりがあり、NGC253はそらし眼でようやく
見える状況でした。北東は高萩市中心部の明かりがありますが、22時を越えると
暗くなってきます。東西と天頂方向はかなり暗いです。
マクストフとアポ屈折の比較には、
 TOA130 VS STF Mirage 180mm Deluxe
があります。これを読むとマストフとアポ屈折の口径の大よその対応が分かります。


2017年12月8日(金)

私のレポートに「眼の球面収差」を載せました。
(本当に暗い空で散開星団を見たとき、星がにじんで見えるという
ような経験があれば、それは眼の球面収差のためのようです。)
上記のレポートは、眼の球面収差についての光学理論からの
アプローチです。

2017年12月6日(水)
■APQとクエスターの見え方比較(その3)
 今回はAPQの口径を絞り、クエスターとの見え方を比較しました。
 
 写真のようにAPQの筒先に7cmの穴のあいたマスクを付け、前回と同様に
 クエスターを横に並べて海王星付近を約50倍でサイドバイサイドに見ました。
 今回の空は透明度も良くかなり暗いです。
 →結果は、見えている星の明るさといい、視野の背景の暗さといい、星像といい、
  殆ど同じ見え方でした!
  すなわち、クエスターの低倍率(約50倍)での星の見え方は、APQの口径7cm
  に相当するようです。これは、MTFの説明とも合致するように思われます。
  ・・・ということは、低倍率では9cmのマクストフ光学系は約7cmのアポ屈折と同等?
    これを拡大すると、7インチ(18cm)のマクストフは低倍率では18*7/9=14cmの
    アポ屈折と同等ということになります。これは妥当でしょうか?

2017年12月2日(土)
■APQとクエスターの見え方比較(その2)
 今夜は海王星について約50倍での見え方を比較しました。そらの条件は、月齢13.6
 の月があり、また南天側は町の明かりもあり、海王星が見える方向の肉眼最微光星
 (NELM)は2〜3等級でした。
 下の左側はAPQ100/640にA-25mm+2倍バローで約50倍で見たときのスケッチ。
 右側はクエスター3.5にブランドン24mmで約50倍で見たときのスケッチです。
 
 →これから分かるように、APQの背景は明るく、クエスターの背景は暗いですが、
  見えている星はAPQの方が明るくはっきり見えます。この日はクエスターでは
  9等星が見える限度でしたが、APQでは10等星まで見えていました。
  また、海王星の青もAPQの方がはっきり見えます。
  星像としてはどちらも周辺ま良いですが、APQは口径が大きく無遮蔽であること
  から、この見え方の違いは妥当だと思います。
   クエスターの日本語でのレビューは非常に少ないですが、クエスターの視野の背景
  が暗いという話は、ななつがたけ北天文台日記の中にも載っていました。そこでは
  「視野が真っ黒で対象が浮かび上がる」と述べられていました。
  また、海外でも「Sharp contrasty optics, pinpoint stars floating in a nice black background.
    On deep sky objects contrast is superb the background very dark quite stunning.」
  というような表現が見られます。


2017年11月28日(火)
以前から「クエスターはどのくらい見えるのか?」に興味がありました。3.5インチの複合光学系なので
光学理論的には同口径のアポ屈折に比べると相当不利ですが、実際入手して見てみると思っていた
以上に良く見えるというのが現在の率直な感想です。クエスターと他の望遠鏡の比較については、
国内では、昔の月刊天文に少し話が載っていたくらいでネットでは殆ど見当たりません。
海外ではCloudy Nightsでいろいろ議論されていて、下記は興味ある話題です;
Light Collection with Q3.5, 5 and 7
80mm triplet apo versus a 3.5 Questar
questar or telementor?
APOs vs. Questar


2017年11月26日(日)
(1)昨日はひたちなか市の小学校での観望会でした。天候は夕方から雲が出てきましたが最初の
方は月が見えていて、その後空の半分が天頂付近かた北半分は晴れという状態でした。町の中
の小学校なので空は明るく見える対象は限られていました。近県の天文関係者も集まり望遠鏡は
多数並びました。私はAPQ100/640とクエスター3.5を並べて、最初は月、その後アルビレオやすばる
を参加者に見てもらいました。両方を同じ対象に向けるとその違いも分かります。
アルビレオをほぼ同じ倍率で見ると、星の見え方周辺像も含めてほぼ同じですが、APQは視野が
明るくクエスターの方は背景が暗く見えます。これは口径差でしょうか。APQは背景の明るさまで
拾っているようです。すばるの見え方も同様です。→クエスター3.5の見え方は、APQ100/640と星像
はほぼ同じで全体を暗くしたような見え方です。口径差や中央遮蔽を考えるとクエスターの光学系の
優秀さが分かります。もし口径7cmから8cmのAPQがあったとしたらクエスター3.5の見え方に近い
のではないでしょうか。
(2)Cloudy NightsのQuestar ForumにQuestar 5の話題があります。クエスターは現在、3.5インチと
7インチしかありませんが、5インチのクエスターが開発中ということです。


2017年11月17日(金)

前回(11月14日の雑記帳)の続きです(概要紹介);
「・・・
その望遠鏡(=Enhanced vision telescopeのデモ機)を通して見たM42/43の眺めは、私の16インチ
に匹敵しました。
・・・
私がその望遠鏡の接眼部で気付いたことは、視野が四角、実際には長方形で丸くなかったという
ことでした。完全な長方形でもありません。それはプロトタイプの範疇のものなので、現実的な問題
とは考えていません。別の問題は、その望遠鏡を異なる天体に向きを変えたとき、ダークフレーム
処理のために鏡筒の先にキャップを付けなければなりません。望遠鏡の最終バージョンでは、これ
は自動的に行われ、ユーザはこれを行う必要はないとのことでした。
ところで、この望遠鏡では追尾の必要性は必須です。その理由は蓄積のために少なくとも1分が
必要だからです。その望遠鏡を天体に向けたとき、Mallincamのようにすぐに眺めを得ることは
できません。私の見るところでは、フィルムのように処理する時間が必要です。しかし、ひとたび
それが行われると像は明瞭になります。けれども、天体の色は全く見えなかった、と今は言って
おきます。これは、特定の個体のためか、ひどい空の条件のためかもしれません。
最初に、私は自分の望遠鏡でM42を102倍で見ましたが、Explore Scientificの30mm(82度)アイ
ピースを試したくてこれに変えました。倍率は63倍となり、Enhanced vision telescopeとほぼ一致
する眺めとなりました。
明るい天体については、眺めはほとんど互角です。
・・・
私は馬頭星雲のようないくつかの他の天体を提案しました。最初に、NGC2024: Flame Nebula
(炎星雲)からスタートしました。この星雲はEnhanced vision telescopeが際立った領域でしたが、
実は馬頭星雲は取り込めませんでした。
しかし、Flame Nebula(炎星雲)は、アイピースに蓄積されると一目瞭然で現れました。
一方、私の16インチの望遠鏡の方は、UHCフィルターでもそれ(=Flame Nebula)は非常に暗く、
何かが視野の背景にあるとしか言うことができません。フィルターなしでは完全に見えません。
この対象はイメージインテンシファイアのアイピースが私の望遠鏡に明らかに勝ったケースです。

次に、オリオンの肩にある小さな惑星状星雲NGC2022を見ました。それは非常にかすかですが
私の望遠鏡(102倍)で見えていました。Enhanced vision telescopeではその位置に向けてもだめ
でした。その天体が小さ過ぎでした。天体がリング星雲より小さいものはこの望遠鏡に適さない
ということが分かりました(その理由は倍率が低いので)。
私はユニステラーの人に「倍率について手を打たなければならない」と言いました。もし倍率が
望遠鏡のサイズに完全に依存するならば、この望遠鏡が機能する天体を制限するでしょう。
彼らは様々なサイズの望遠鏡向けの天体の一覧表について話をしました。私は、倍率の制限に
より、NGC銀河のような微かでぼやけた天体を取り入れるとき、それらの多くが小さ過ぎて見る
ことができないということに気付きました。
最後に、バラ星雲にトライしました。Enhanced vision telescopeは私の16インチよりも少し多い
クラスターは見えましたが、どちらの望遠鏡でも星雲のかすかなきざしも見えませんでした。」
 →上記は空の条件が悪い中で行われたことを考慮する必要があります。
最後に、これについての質問と回を紹介します;
「(質問)Enhanced vision telescopeの像質は、良質のアイピースのように良いですか? 
  あるいはある種の(粗悪な)EAAカメラのように斑点だらけの"まやかし"でしょうか?
 →(回答)像は実際全く素晴らしいです(特に、倍率を与えたとき)。画素は全く見えません
   でした。NGC2022を見たとき、もっと厳密に言えば、多数の"丸い"星以外に画素を見つ
   けることはありませんでした。また、極めて小さいものでも四角のものはありません。」


2017年11月14日(火)
アストロアーツに新望遠鏡eVscopeの記事がありますが、どんな構造なのかの簡単な説明は、
こちらに載っています。これによると、口径4.5インチの反射望遠鏡の直焦点にセンサ(注)を置き、
これを画像処理してアイピースのような形の有機LED(OLED)ディスプレイ上に表示するものの
ようです。ディスプレイがアイピースサイズの丸い形なので望遠鏡を覗いているように見えます。
 (注)Cloudy Nightsの中の話によれば、これはCCD(Sony IMX224)のようです。
しかし、これはデジタル写真を見るのとどう違うのでしょうか。また、天体望遠鏡の眼視の世界に
デジタル化が進むのでしょうか? この話題は、Cloudy Nightsでも議論されているようです;
 UNISTELLAR Enhanced Vision Telescope
 Any thoughts on Unistellar's eVscope?
ニューヨークのセントラルパークで行われたスターフェスティバルでのプロトタイプのデモの様子
は、Starfest in Central Parkに載っています。
また、16インチ反射との見え方の比較は下記に載っています;
 Enhanced vision telescope shown at CES

(追記)上記、16インチ反射との見え方の比較部分の内容を何回かに分けて紹介します;
まず最初に、比較した場所についての説明があります(この比較は2017年1月6日実施とのことです)。
その部分は、
「私はユニステラーの人たちとラスベガスの南西に位置するブルーダイアモンドの屋外で氷点下の
 夜を過ごしました。それは面白い夜で、数人のラスベガス天文協会(LVAS)のメンバーも立寄りました。
 ・・・・その場所は、控え目に言っても理想的に空の暗い場所ではありません。そこは南と南西がかなり
 暗いですが、東と北東にはラスベガスの光がドームのように見えます。実際には、(ラスベガスの)
 ルクソールの光を含めて、ラスベガス・ストリップ(訳注)を見ることができます!
 えーと、まあそのような場所ですが、町のどの場所よりもずっと暗いです。また、その夜は高層の薄い
 巻き雲があり、透明度は理想的ではなく、さらに上弦の月がありました。なおその上に、我々は移動
 する雲の中にいました。これは拡張EPを試みるための条件としては完璧です。
    (訳注)ラスベガス・ストリップ(Las Vegas Strip)は、ラスベガス・ブールバード(大通り)の中で
        長さ約4.2マイル(6.8 km)にわたる部分を指す名称。」
次に、注意事項が3つ述べられています;
「話を進めるまえにいくつかの注意事項を述べます。
 #1 このEnhanced vision telescopeは私がこれまで使用したことがないタイプです。その理由は、
      私がメモレックスのような記録媒体を通してではなく、生の光子(フォトン)を好む厳格な眼視
      観測家だからです。また、もし私がそのようなものを必要とするほど条件が悪くなったら、私は
      観測をやるつもりはありません。
 #2 このEnhanced visionは自動化された望遠鏡を必要とします。それはドブソニアンやモータードライブ
   のない望遠鏡では機能しません。
 #3 このEnhanced visionは理想的な星空が見える場所に出かけることができない人々や、望遠鏡の
   見え方を理想的な空の下での見え方にエンハンスすることを求めている人々にとって恩恵となる
   可能性があります。」

これからいよいよ本論に入りますが、以降は次回にします。


2017年11月13日(月)
土日は天気が良かったのでベランダにAPQ100/640とクエスター3.5を並べて見え方を比べました。
対象はちょうこくしつ座のNGC253とオリオン大星雲です。
(1)NGC253
 南天に低く日立市内の町明かりがあるのでこの対象は非常に微かにしか見えません。
 APQの方はA-25mmに2倍のバーローで51倍。クエスターの方はブランドン24mmで53倍と、
 ほぼ同倍率です。
 APQを覗くと視野が少し明るくNGC253を見えにくくしているようです。一方、クエスターの
 方はAPQに比べて視野が暗くNGC253が少し見やすいようでした。しかし、微光星については
 APQは10等星まで見えていました。
 結論としては町中では差があまりなく、山中などのほんとうに暗い空で比べる必要があるようです。
(2)オリオン大星雲
 使用したアイピース等は上記と同じです。見え方は、APQに比べてクエスターの視野はやや暗い
 ように見えます。これは口径差や副鏡の存在などから当然のように思われます。しかし、クエスター
 の視野は背景が非常に暗く、これが星雲の輝きを際立たせています。結果として、APQと遜色ない
 見え方となっています。トラぺジウムや微光星の見え方はAPQの方が良く見えますが、その差は
 非常に小さいようです。
→口径差や副鏡の存在などクエスターには不利な条件があるにもかかわらず、見え方の差が小さい
 ようです。月や地上の風景でも差は殆ど感じられませんでした。3.5インチの卓上型のコンパクトな
 望遠鏡でこれだけ見えるというのは素晴らしいです。



2017年11月10日(金)
・YouTubeには望遠鏡の紹介がいろいろありますが、Questar3.5の概要は
 Dave Trott氏のQuestar Telescopeを見るとよく分かります。
 同氏は、Fecker Celestar 6などいろいろ珍しい望遠鏡の所有者です。
    Culter CT100 Telescope
 も携帯用天体望遠鏡として面白いですね。
 ツァイスに関しては、Zeiss 63mm Telescope Evolotionがあります。

2017年11月3日(金)
APQ100/640を無遮蔽の完全な光学系と仮定して、Questar3.5のMTFカーブを作成してみました。
Questar3.5の副鏡の直径を測ってみると27mmなので遮蔽率=27/89=30.3%=約30%です。
従って、下図のように、Questar3.5のMTFカーブは「口径10cmで遮蔽率30%のMTFカーブを横軸
の0.89で交わるように補正」したものです。これがAのカーブです。Bは無遮蔽の光学系でAの
カーブの中倍率以下の部分を近似したものです。これによるとBはD=70mm弱の無遮蔽光学系
になります。
→結論:Questar3.5のMTFカーブは、
        ・低倍率から中倍率近くでは無遮蔽の70mm弱と同等。
        ・高倍率側では無遮蔽の90mmとほぼ同等。
     ということが分かります。
(11/4追記)
  上記の遮蔽率30%は鏡筒の先端から覗いて計測した値ですが、マクストフ
  カセグレン望遠鏡の中にはアイピース側から測定した値が真の値となる
  ものがあります(例:BKMAK180のように副鏡のメッキ面の後ろに拡がった遮光が
  ついているタイプ→ネットにあったこちらのレポートを参照)。
  それで念のためこのレポートのようにアイピース側から副鏡を写してみました;
  →この結果でもQuestar3.5の遮蔽率は30%でした。
       


2017年11月2日(木)
<忘れられた月面の宮森谷(Miyamori valley)?>
 先週金曜日は月面Xを見ましたが、月面にはこの他に月面Aがあるそうです。ネットで
 月面Aの写真を見ましたが、月面Aのすぐ上に宮森谷があるのにそれについては
 何も語られていないようです。→現代の日本では忘れられた存在?
 宮森谷については以前調べたことがあり、下記に書いています;
http://www2.odn.ne.jp/~ccr61210/www2.odn.ne.jp/bunshou.html
 最近の月面案内書ではMiyamori valleyは殆ど載っていません。これが載っている
 のはGerald North著のObserving the Moon:The modern astronomer's guide(Cambridge
  Univ. Press 2000年)くらいではないかと思います(スケッチも載っている)。英国では
 Miyamori valleyはまだ忘れ去られていないようです。場所は、LohrmannからRiccioliに至る
 所です。この本では、月の明暗境界線の移動により谷の陰影が変化していく様子を
 「the shadow fades away,like the grin of a Cheshire cat,at the eastern end of the 'valley'
 as the terminator moves westwards.」と表現してあります。
 この文章の中の「like the grin of a Cheshire cat」は、辞書で調べると「むやみににやにや
 笑う(Alice's Adventures in Wonderlandより)」とありますが、これは宮森谷の陰影の変化の
 様子を「不思議の国のアリスに登場するチェシャ猫がニヤニヤ笑いをしたあと横に広く口を
 少しずつ閉じながら消えて行く様子」に例えているようです。

2017年10月29日(日)
 最近晴れないと言っていましたが、先週の木曜と金曜は久しぶりの快晴でした。
 木曜日は福島県矢祭町の滝川渓谷駐車場に天文同好会の人と二人で出かけました。
 17時過ぎに到着し40cmのドブソニアンとクエスターを出し暗くなるのを待ちました。
 空は快晴で、最初に月を見て、その後リング星雲、亜鈴星雲、アンドロメダやNGC253,
 二重星団、プレアデス、海王星などを見ました。
 →月や星団(プレアデス、二重星団等)をクエスターで見て感じたことは、非常に良く見える
  ということでした。針を突いたような微光星などの美しい星像はAPQと殆ど変らない見え方
  のようでした。月に関しては、翌日の金曜日にAPQとクエスターをサイドバイサイドで見比べ
  ましたが見え方はどちらも同じくらい良く見えます。月や星団に関してはコントラストも含めて
  APQに匹敵する見え方のようでした。地上の景色の見え方も素晴らしくコンパクトだが非常に
  良く見える望遠鏡です。
  Neil English著のClassic Telescopesの第11章ににクエスターの光学系についての説明が
  載っていますが、それを読むと、「クエスターはグレゴリータイプでもルマックタイプでもなく、
  マクストフのコレクターと同じガラス上に副鏡をつくりますが、それは手作業で非球面に研磨
  され、非常にコストのかかるプロセス」だそうです。
  (10/29追記)
  上記の比較時、クエスターの鏡筒の先端にはKenkoのプロテクションフィルターを
  付けていました。→これを付けても見え方への影響は少ないようです。
  
  また、アイピースはブランドン24mm, テレビュープルーセル32mm, ツァイスA-25mm
  で見比べましたが、A-25mmが最もすっきりした見え方でした。但し、A-25mmでは
  組み込まれたファインダーのピントが合いません。

2017年10月19日(木)
クエスターとアイピース
(1)クエスターのファインダーのアイピースは本体のアイピースと共用ですが、
 ファインダーが合焦するアイピースは限定されています。
 以下のFinder Eyepice Compatibilityを参照;
http://astronomy.robpettengill.org/questarEyepieceFinderFocus.html

(2)テレビューのパンオプティックは広い見かけ視界で周辺まで問題なく見れます。
 一方、テレビューのプルーセル32mmは視野の周辺が少しけられます。
 
 パンオプティック19mmとプルーセル32mm

2017年10月5日(木)
・今週土曜日は福島県田村市で開催される「星の村スターライトフェスティバル」に参加予定ですが
 土曜の天気は悪そうです。
・私のレポートの「図解 MTFチャート」がパワーポイントのコピーで読みにくかったので
通常の頁に直しました;
 ・【図解】Cloudy NightsのMTF(Modulation Transfer Function)の話題紹介
 →MTFチャートでいろんなことが分かります。

2017年9月25日(月)
昨夜は夕方以降雲が多く南天は星が見えませんでしたが、23時を過ぎると晴れてきたので
海王星を見ました。下の図は9/24の23時頃と9/18の23時頃の海王星の位置をスケッチした
ものです。これにより海王星の移動が分かります。9/18では右下側の7.95等の星のすぐ近くに
あり、等光二重星のように見えました。クエスター3.5にTeleVue Panoptic 19mmで見たので、
この円の実視界は0.95度です(倍率は67倍)。


2017年9月22日(金)
相変わらず夜晴れない日が続いています。今年は、梅雨から夏がなく秋雨に入り、曇りの日
が多く、昼間晴れていても夕方から曇り、星が見れた日はごくわずかという状況です。
来月は下記のイベントに参加予定ですが晴れてほしいものです;
  ・星の村スターライトフェスティバル2017
  ・星旅祭2017 in おおたわら
9/24追記;
最近の天候について、星が見れる頻度を考えてみました。
一般の人は日中の天気しか気にしませんが、この地では真冬以外は昼晴れていても夜に
なると曇るパターンが非常に多く、夜の晴天率は非常に低い地方のように思えます。
冬は結構晴れますが、春から秋にかけては全くだめです。どの程度を晴れと見るかにも
よりますが、一応ある程度星が見れるときを晴天とすると、感覚的には月別の晴天率は
 1月、2月:40%  3月から5月:20%  6月から9月:数%(殆ど0) 10月から12月:20%
 →平均すると、(40*2+20*3+20*3)/12=200/12=16%
となります。同好会の定例観望会が年に12回行われますが、この晴天率で見ると<
12*0.16=1.9 すなわち、年に2回弱しか満足に観望できないことになります。これは最近の
実際の結果と大体同じです。これに月のない晴天を望むと、その確率は半分の8%になります。
年間に観望できる日数は365*0.08=29日、一月未満しかありません。もちろん実際には、
雲の切れ間から見えたり、一時的に晴れ間が出たりするので、ベランダ観望のようにそういう
タイミングを待っていれば星を見れる日はもっと増えます。また、夏には朝起きると晴れている
こともあるので、夜半から明け方が晴れる確率が高いのかもしれません。


2017年9月16日(土)
(1)9月12日は9月に入って一番の天気の良い夜でした。2階ベランダからはフォーマル
ハウトが良く見えていたので、そこからみずがめ座の星を辿り海王星を見ました。
(9/16のスケッチは正確でなかったので削除しました(9/25))

次に、ちょうこくしつ座のNGC253を見ましたが、このときは下弦前日の月が昇っていて
NGC253は辛うじて確認できる状態でした。

(2)9月14日は北茨城の小学校の宿泊研修の中で天体観望があり、その支援をしました。
昼は天気が良かったのですが現地へ到着すると空一面の曇りでとても星は見れそうにない
状況でした(雲は早く移動しているので晴れ間が出るかもしれません)。そこで北茨城天文同好会
の人が室内で宇宙や星空の説明を行い、私は、もし土星が現れたらすぐに見れるように隣の
部屋の窓を開けてクエスターを設置し待機しました。暫く待っていると、天頂付近に部分的に
星が見えるようになり、やがて土星付近も晴れてきました。そこで隣の部屋から全員を呼び
なんとか全員に土星を見てもらうことができました。(下の図は、研修場所の部屋の窓の傍に
テーブルを置きクエスターで土星を見たときの様子)。室内から見たので倍率はあまり上げず
ブランドン12mmで107倍でした。


2017年9月4日(月)
先週土曜日の夜は数か月ぶりの晴れた空になりました。ベランダからは南天の一部しか
見えないので、クエスターで月を見て、その後、南の魚座の二重星を見ました。
光度差の大きい二重星ですがβ星、γ星は容易に伴星が見えました。δ星は伴星が10.5等
と暗くこのときは見えませんでした。
ファイラーマイクロメーターでの測定は、この望遠鏡での定数R(value of one revolutionof
the micrometer screw)を決めてから実施になります。
日曜日(9月3日)は朝から非常に天気が良く、夜も期待しましたが夕方から雲が出てきて
空一面を覆い、星は全く見えませんでした。結局夜晴れたのは土曜日の夜だけでした。
(追記)
アマチュアによる二重星の測定は海外では行われています。例えば、クエスター3.5インチ
にマイクロガイドアイピースを使用して測定しているベテランの二重星観測家Ron Tanguay氏
など。→Sky & Telescopeに"Observing double stars for fun and science"として紹介されて
います。

2017年8月25日(金)
昨夜は久しぶり(約1か月)に星が見えました。少し薄い雲があり、いて座付近は肉眼では
2等星がやっと見える程度の空でした。晴れていた時間は少なかったので土星といて座の
球状星団を見ました。土星はイエナのモノセントリック10mmを使用し組み込みのBarlowを
使って216倍で見ました。非常にシャープでコントラストの良い像でした。球状星団のM22は
Brandon24mmに組み込みのBarlowを使用し90倍で見ました。球状星団の星が針を突いた
ような微光星として分解して見え非常に綺麗でした。
下の写真はクエスターにファイラーマイクロメーター(注)を付けたものです。
(注)Van Slyke Instruments社製のBifilar Micrometer



2017年8月6日(日) 原村星まつり&雨情の里星まつり
2つの星祭りは例年よく重なるのでこれまでは北茨城市で開催される雨情の里
星まつりに参加していました。今年は両方に参加することを直前になって計画
しました。原村の方は家族で参加することで準備し前日の8月3日の午前中に
家を出発しましたが、高速に乗る前で老犬のミト(15歳)が落ち着かず、長時間
車に乗せるのは無理なようでした。そこでいったん家に戻り家族を置いて一人で
原村に行くことにしました。ルートは、車で行く場合の5月の小淵沢での観望会と
同じように、常磐道→北関東道→上信越道→中部横断道→国道141→清里です。
清里では予約していたオートキャンプ場に1泊しましたが、夜は曇りで星も見えず、
早めに就寝しました。

翌朝はパンとコーヒーで朝食を済ませて原村へ向かいました。
清里からは少し距離があり、10時前頃に会場に到着し3段目の駐車場に車を
止めました。その後、知っている方に挨拶を済ませ、望遠鏡は観望サイトの空
いている所に設置しました(APQとQuestar)。

昼間は天気が良かったので、地上の風景で両者の見え方を比べたりして
いました。Questarは天文歴の長くない方にはその存在さえも知られて
いないようです。しかし、初めてQuestarを見たという人は地上の風景が
非常にクリアに見える(特にコントラストの良さ)のに感心されているよう
でした(横に並べたAPQ100/640と比べても遜色なし)。また、ファインダー
の切り替えなどその機構に興味がある人も多くありました。
夜晴れれば両者の見比べができたのですが、残念ながら月が短時間見えた
以外は曇りでした。
翌朝は8時前に会場を出発し、昼過ぎに帰宅しました。昼食を済ませて
今度は次の星まつりの会場である北茨城市へ向かいました。会場へは16時
頃に到着し、暗くなるのを待ちました。到着した時は晴れで今夜は月や土星が
見れると期待したのですが、夕食のカレーを食べて外に出ると空一面曇りでした。
さらに濃霧注意報も出て22時近くまで待ちましたが晴れる様子もなく自宅に
帰りました。すると、自宅のある日立市では空は晴れていて満月近くの月が
雲もなく輝いていました。星まつりでは全く星は見えず、帰宅した自宅では
星が輝いているという残念な結果となりました。


2017年7月28日(金)
クエスターを格納する専用のケースはかなり重たいので携帯用には向いて
いません。そこで適当なソフトケースがないかネットで探したところ望遠レンズ
を格納するBACKPACK(*)があり、入手しました;これだと背中にしょって運べる
ので旅行にも持っていくことが可能です。
(*)Think tank photoのGlass Taxi (容量17.6L)


9月24日追加:
バックを背負うとこんな感じになります。
クエスター望遠鏡とコントローラ及び太陽フィルターがバックの中に
入り、卓上三脚の足はバックの横に付けます。これにカメラ用三脚
を持っていけば車で行けない山の上でも星が見れます(カメラ用三脚
がなくても岩場にクエスターの卓上三脚を直接置いてもよいかも)。
福岡へは年に数回帰省するので、そのうちクエスターを持って九重山
へ行ってみたいと思います(学生時代には時々登ったので。星を見る
場所としては九州の尾瀬と言われる「坊がつる」あたり。宿泊は坊がつる
のすぐそばの法華院温泉山荘にすれば望遠鏡以外の荷物は少しで
済みます)。


2017年7月26日(水)
下の写真にはbuilt-inされたファインダーの小さな対物レンズが見えます。
そのレンズの前には45°の平面鏡があり、鏡筒と平行に到達した光を
ファインダーの対物レンズに向けます。このファインダーの焦点距離は
107mmです。アイピースは望遠鏡本体のアイピースがファインダーモード
の場合に使われます。このファインダーの口径は写真のようにとても小さい
ですが、非常に良く見えます。レビュー記事によれば、口径は僅か15mm
だそうです(昔のニコン8cm屈折のファインダーも小さいが非常に良く見える
という話を聞いたことがありますがそれと似ているかもしれません)。



2017年7月23日(日)
昨夜は天文同好会の定例観望会でした。天気は曇りで一部青空が見える
状況で観望は難しいと思われましたが、少ない晴れ間から土星や木星を
見ることができました。クエスターで見る土星や木星は口径89mmとは思えない
ほどよく見えました。特に、木星の縞模様も非常に濃く見えました。アルビレオ
もAPQに負けないようなシャープな星像でした。また、背景の暗さも際立って
いました。
<保護フィルターの件>
市販の望遠レンズ用の保護フィルター(径95mm)(*)を先頭に着けてみました。
これを着けて土星を見てみましたが180倍でも像には影響がほとんどないよう
です。(*)ケンコーのMCプロテクター プロフェッショナル 95mm




2017年7月13日(木)
短い時間でしたが夕暮れ後30分位の間、土星を見ることができました。
2階のベランダにAPQ100/640とQuestar3.5を並べて比較観望をしました。
APQの方が光量があり見え方もやや良いようでしたが、その差は小さく、
口径差を考えるとQuestarはかなり健闘しているように思われました。
次にアンタレスを見ようかとしていたところ雲が広がり本日の観望は終わり
ました。次回晴れたらいろいろな天体を見比べたいと思います。




2017年7月4日(火)
クエスターが届いてから2週間近くになりますが、天候が悪く
雲間から月を少し見た以外はまだ天体を覗いていません。
下記の写真の円柱状の入れ物は、クエスターを輸送するときに
使うケースです。



2017年6月29日(木)
卓上三脚を載せる台に星図を見るためのライトを着けました;
使用したものは、「フレキシブルアーム(どちらもクリップ)」と
レッドライトとして「Rigel SystemsのSkylite」です。
開いている星図は、Pockt Sky Atlasです。
また、右端には、ファイラーマイクロメータを置くホルダーを
着けました。




2017年6月27日(火)
<三脚の2段重ね>
クエスターは卓上三脚なのでこれを載せる台として天体用三脚の上に木製の板を
載せました。安定は良いのでこれで暫く使用できそうです。



2017年6月25日(日)
去年12月中旬に米国のCompany 7に注文していたクエスター3.5(*)がようやく届きました。
  (*) Questar 3.5 Astro Telescope, Pyrex with Broad Band Coatings optics
最初は納期3月末の予定でしたが、遅れの主な要因はPowerguideにあったよう
です。下の写真のコントローラはPoweguide III です。
梅雨に入り天気が悪いので星はまだ見ていませんが、地上の風景を見ると
非常にコントラストが良いようです。




2017年3月19日(日)
あまり話題になっていませんが、今年はメシエ(1730年6月26日〜1817年4月12日)
没後200年の年です(今年のメシエマラソンなどでは少しは話題になってもよいよう
に思いますが。次の節目は2030年の生誕300年ですがまだかなり先です)。
87歳で没したのでかなり長寿です。メシエカタログの内容は本HPに公開していますが、
カタログの最初の頁を日本語で示すと次のようになります;
左右見開きで左側に対象の位置や大きさ、右側に対象の概要が簡潔に書かれて
います。



メシエカタログの最初の版は、1774年に出版された"Memoires de l'Academie" for 1771
の中に登場し、M1からM45をカバーしていました。
最初の追加は、1780年に出版された"Connoissance des Temps" for1783の中に登場。
ここではM68までをカバーしています。ここで、Connoissance des Tempsとは、天体歴
のことで王立アカデミーから発行されました。
最終版は1781年に出版された"Connoissance des Temps" foe 1784の中に登場。ここ
では、M103まで載っています。

2017年2月19日(日)
・先月(1/28)の定例観望会は、月明かりの無い観望会として久しぶりの快晴でした。
(去年は12回の定例観望会で星が見れたのがわずか2回しかありませんでした。)
私は久しぶりに40cmドブソニアンを出し、冬の主な星雲星団を見ました。
写真は日没頃に(多分)金星を見ているところ。バックのパラボラは茨城大学の
電波望遠鏡。

・2/8はソフトウェアの研究会(知働化研究会)に参加のため東京に行きました。そこで
「数学とソフトウェアの接点」という内容でプログラムの抽象解釈(注)の概要を紹介しました。
(注)私のHPの「ソフトウェアと数学の接点」に載せている内容)
・望遠鏡と納期:Cloudy Nightsに、アストロフィジックスの望遠鏡を注文して10年目にようやく
納品されたという話が最近載っていました。これは極端な例かもしれませんが、マニア向けの
天体望遠鏡は入手まである程度待つ必要があるようですね。

2017年2月6日(月)
Cloudy NightsでBifilar Micrometerの話題を検索したら、Van Slyke Engineering廃業!という
ショッキングな話が書いてありました。Van Slyke Engineering社は私がファイラーマイクロメータを
購入した会社ですが、Clody Nightsの内容によると、2013年の山火事で設備が全焼し、ビジネス
をやめたようです。天文用のファイラーマイクロメータを作っていた会社はおそらく世界でここ
だけなので非常に残念です。

2017年1月25日(水)
ファイラーマイクロメータの暗視野照明の調子が悪かったのでふたを開けて中を見てみました。
中にばねがありファイラーを移動するようになっています。配線の接触のせいだったのか暗視野
照明は使えるようになりました。(この暗視野照明はリゲルシステムのものを使用しています。
写真の黒い棒のようなもの。白いつまみは照明の点滅のインターバルを調節します)


2017年1月23日(月)
TM赤道儀の電源
  TM赤道儀は100V,50Hzで動作しますが、これまで使っていたポータブル電源の周波数は55Hzでした。
  今回、12Vから100V,50Hzの正弦波に変換するインバータ(GOODGOODS製)を購入しました。これに
   より野外で正確な追尾を行うことができるようになりました。
  



2017年1月15日(日)
Cloudy NightsのClassic Telescopesのスレッドに「What Classic Telescopes are Very Rare?」というのがあり、
その中でAPQについての記述がありましたのでその部分を引用します;
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Actually, the Zeiss APQ 100/640 belongs in the same class as the Vernonscope refractors, as only 40 or so where made. These are now spread across the world, so you tend to bump into them VERY rarely. I think the majority are in Germany and Japan. One guy in Japan even has two of them, a sizable fraction of the entire production! The APQ 150/1200 is similarly rare, but actually made in a slightly larger number, based on some sources. The APQ 100/1000 and 130/1000 are both much more numerous, the 100/1000 being made in around a thousand copies, the 130mm around 250 - 300.

There's also an ED version of the AS80/840, of which only 20 lenses were ever made, only ten of which had original OTAs made for them, the rest bought as ATM lenses (some of which may have been used in existing AS80/840 scopes, no doubt).

Actually, the rarest Zeiss scope I can think of right now is the first OTA version of the AS80/840, which has a miniature version of the Zeiss AS100/1000 OTA, complete with M52 focuser and in grey livery, made in the 1970'ies. I've NEVER seen one of these, not even a photograph, only a catalogue drawing somewhere on the net. Maybe no one ever ordered one? I can't believe that.
-----(ここまで引用)
これを読むと、APQの中ではAPQ100/640の数が少なく、その多くはドイツと日本にあるようだ。日本には
一人でAPQ100/640を2本も持っている人もいます、などが書かれています。「the 100/1000 being made in
around a thousand copies,」というのは多過ぎでは(ASも含めた数)?