星見雑記帳 2018年1月〜
11月17日(土) フレネルゾーン
star Testingの4.3.2節にフレネルゾーンの説明があり、最初に下の図が登場します。

この図は、下のように回折光が開口のnear portionとdistant portionで丁度1波長の
距離の差が生じるようなケースに対応します。このとき、回折光が焦点を結ぶoffset
の位置は焦点から1.22λf/Dにあり、回折像の最初の暗となります。
第1フレネルゾーンは、開口の中で回折光の距離の差が1/4λから3/4λの間に対応
します。第2フレネルゾーンは、開口のそれ以外の部分となります。
従って、第1フレネルゾーンでは2つの回折光の距離の差がλ/2以内となります。、
第2フレネルゾーンでは、nearの領域内の回折光とdistant領域内の回折光の距離の差
は、λ/2とλの間になります。

Star Testingの説明図では、フレネルゾーンは(+)と(−)で表されています。これは、
第1フレネルゾーンの方が第2フレネルゾーンよりも位相が進み、逆に第2フレネルゾーン
は第1フレネルゾーンよりも位相が遅れていることを表しています。しかし、この進み、遅れ
は光が開口に到達したときの位相により変わるので、この(+)、(−)のパターンは
9.2×10-16秒(注)毎に逆転します。
(注)光が1マイクロメートル(=1000nm)進む時間=3.3×10-15なので、光の波長を560nm
とすると、光が半波長進む時間=3.3×560/1000×10-15=9.2×10-16
11月12日(月)
Cloudy NightsのDouble Star Obsevingに北緯55°という厳しい条件の下、
114年前の古い口径85mmのZeiss A アポクロマートで見たというスレッドが
ありました(双眼装置使用);
Sirius B observed
11月5日(月)
日本語で使い方の載っている本はないようなので
「Filar micrometerの使い方」を公開しました。
11月2日(金)
31.7mm→50.8mmのサイズアップアダプターを入手しました。
(ASTROLABE製)

通常の変換アダプターでは50.8mm→31.7mmが一般的ですが
これは逆の変換アダプターです。いろいろ探しても中々なかった
のですが福岡の天文ハウスTOMITAさんに在庫がありました。
これを探していた理由は、ファイラーマイクロメーターを31.7mmの
接眼部に付けるためです。

サイズアップアダプターの2インチ側は、ファイラーマイクロメーターに
接続され、方位角の円盤状ディスクを固定します。これによりファイラー
マイクロメーターのボックスは自由に回転できるようになります。
サイズアップアダプターの31.7mm側は接眼部に接続されます。
10月23日(火)
今月は、福島県田村市のスターライトフェスティバルが台風の予報で
中止となりましたが、実際には風はあるものの天気は良かったので
現地に行き1泊しました。夕方からは快晴となり、月もなく天の川が
はっきり見える素晴らしい星空の下、APQとクエスターで秋の星雲星団
観望を楽しみました。また、地元の若い人5〜6人が星を見に来ていた
のでAPQの低倍率(W-31S)でスバルや二重星団、M32などを見て
もらったりしました。毎年天気が良くないことが多いスターライトフェスティバル
ですが、中止となった今年は皮肉にも雲一つない快晴でした。
翌週の10/13土曜日は栃木県大田原市で開催された「星旅祭り2018」
に星空観望会のサポートとして参加しましたが天候はあいにくの曇天
でした。このときの様子は、「星旅祭り2018 & 観望会」という井上さん
のブログに詳しく紹介されています。
また、10/19〜10/22はクエスターを持参して松江、出雲、鳥取、城崎温泉
を旅行しました。ルートは、新幹線で岡山→伯備線で松江(泊)→松江城
→出雲大社→知人宅→出雲星空観望会参加(会場泊)→山陰線で鳥取
→鳥取砂丘→山陰線で城崎温泉(泊)→山陰線で京都→新幹線→常磐線
でした。(最初、往復は寝台列車のサンライズ出雲にするつもりでしたが、
一か月前を少し過ぎた頃に駅で予約しようとしたら既に全席完売でした。
ネットで見るとサンライズ出雲は人気の列車で予約はなかなか取れない
そうです。)
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↑松江城とクエスター3.5
このとき、10/20には出雲に住んでいる方に会い、その後、出雲星空観望会
に参加しました。天気はこの観望会としては4年ぶりの晴れということで
した。時々部分的に雲がありましたが、月などを十分観望できました。
(追加)下の写真は米子駅から鳥取駅まで乗った「快速とっとりライナー」
快速といってもわずか2両のワンマンカーです。出雲市駅から城崎温泉駅
まで山陰本線は3回乗り換えが必要でした。距離は230kmですが単線なので
非常に時間がかかります。距離的には常磐線の品川駅からいわき駅と同じ位
ですが時間は2〜3倍近くかかります。山陰は観光地が離れているのでとにかく
移動に時間がかかります。出雲市から城崎温泉まで、途中で寄った観光地は
鳥取砂丘だけでしたが10時間位かかり、砂丘での滞在時間は1時間もないくらい
でした。
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↓鳥取砂丘:快晴でした
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↓城崎温泉:川沿いに温泉宿が並びます。七つの外湯めぐりができます。
志賀直哉の「城の崎にて」で有名。
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9月18日(火)
ヤフーオークションに珍しくクエスター3.5が出て終了しています。
https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/u222586929
このクエスターのシリアル番号を見ると #3-QTZ-1614 なので
1963年製のようです(#3は1963, 1973, 1983 or 1993を意味し、
1960年代のシリアル番号は700, 800から3900,4000番台なので)。
QTZはQuartz Mirrorのようです。
尚、シリアル番号の見方はCloudy nightsのQuestar forumにあります;
Questar Serial Number Question
また、シリアルナンバーの体系は、
QUESTAR SERIAL NUMBER SYSTEMS
ちなみに、私のクエスターのシリアル番号は 17-11387-BB です。
17は2017年製を意味し、BBはBroad-Bandコーティングの略です。
BBコーティングは約16% 光のロスを少なくすることができるとのことです。
9月10日(月)
先月の25日以来、二週間以上曇りや雨の日が続き星は全く見えません。秋の長雨に
入ったようです。10月には天体のイベントが多くあるので、それまでには秋の長雨は
終わってほしいものです。参加を予定しているイベントは、田村市のスターライトフェス
ティバルと大田原市の星旅祭などです。
9月2日(日)
クエスターについて書かれたブログは少ないですが、通常の天文のブログ分野でない
ところで下記2つを見つけました;
・望遠鏡のロールスロイス −Blog「わが窓より行け」より
・Questar - Horatio Hanna's Blog
8月27日(月)
今年は春に日立市科学館の天文ボランティアになったので、8月は小中学生向けの
観望会が多数あり、下記に参加しました;
8月3日、4日→◎快晴。8月7日→×天候悪く中止。8月17日→◎快晴。
8月20日→△雲間から月のみ。8月21日→◎快晴。8月22日→◎快晴。
8月24日→△雲間から月、惑星。8月25日、26日、27日→3日とも×夕方雷雨で中止。
→良く見えたのは5回、一部見えたのは2回でした。
特に、8月3、4日はシーイングも非常に良く素晴らしい惑星像でした。
私の望遠鏡では、APQ100/640で土星、クエスターで月またはアルビレオを見て
もらいました。参加者からはクエスターで見る月の全景は非常にシャープで見やすい
との感想でした。
8月10日(金)
天文ガイド9月号の69頁に「第10回星空案内人の集い」の報告が載っています。
これは福島県三春で6月23,24日に行われました。そのときの様子は
「第10回"星空案内人の集い”に行ってみた」という井上さんのブログに詳しく紹介
されています。
8月5日(日) 惑星観望
7/31(火)はすばる天文同好会の臨時観望会、8/3と8/4は地域の交流センターの
天体観望会と惑星観望の日が続きました。
いずれもシーイングが良く、特にAPQ100/640で見た土星や木星はピタリと像が止まり、
これまで見た中で最高の見え方でした。10cmでもこれだけ見えるのかと驚くような素晴
らしい見え方でした。
このときは、天頂プリズムの前に双眼装置用のバーローレンズ(多分1.4倍)を着け、
さらにテレビューの5倍パワーメイト+A-25又はパンオプティック19mmでした。従って
倍率は、180倍又は236倍です。200倍前後の倍率が惑星を見るのにちょうどよい拡大率
のように思われます。特に180倍の時はハッブルの画像を小さくしたかのように非常に
シャープで美しい像でした。
7月20日(金)
火星大接近ということで「星のふるさと」を読みました。小口径での火星観察として
非常に参考になります。

7月19日(木)
(1)火星儀
Sky&Telescopeの小型火星儀(直径15cm)を購入しました。6月下旬に注文して届くのに
半月かかりました。

(2)クエスターを載せる台の改良。
クエスターの卓上三脚が置ける最小の台にしました。

左が今回作った台
三脚に付けてクエスターを載せるとこのようになります;

三脚は細長のキャリーケースに入れて運べます。
三脚を入れても余裕があるので旅行にも使えます;
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クエスターを載せる台はビニールの手提げに入れて運びます;
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一方、クエスターは望遠レンズ用のリュックに入れて運びます;
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以上により、クエスターとそれを載せる三脚、台をすべて一人で
運べるようになりました。→電車で移動可能となります。
7月10日(火)
先月、福島県三春町で行われた「星空案内人の集い」から帰ってきてからミトの食欲が
次第になくなり、6月末頃にはドックフードもおやつも殆ど食べなくなりました。動物病院へ
連れて行き検査を受けると腎不全でかなり深刻であることが分かりました。それから数日
朝から夕方まで入院して点滴を受け、流動食や水はシリンジで口から与えましたが段々
受け付ける量が減少し、食事も水も殆ど受け付けなくなり眠るように7月8日昼頃亡くなり
ました。16歳4か月と天寿を全うしたと思います。本日ペット霊園で火葬を行いました。
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長い間家族の一員として、常に一緒に行動し多くの楽しい思い出を残してくれたミト
に感謝します。天文関係でも石川町や星の村のスターフェスティバルや同好会の定例
観望会に一緒にいったりなど数えきれない思い出が蘇ります。
観望会等でミトをかわいがって頂いた方々にこの場を借りてお礼申し上げます。
5月29日(火)
・波面精度のレイリーの1/4波長クライテリオン(P-V波面収差が1/4波長を越えるならば、
その光学系はデグレードが始まる)は光学のいろんな本に載っていますが、レイリーが
どういう理由でそのルールを導いたのかの説明は見当たりません。そこでレイリーの
論文集を調べて見ると、第1巻のP.432-435に理由が載っていました。今日はこれを含む
ページを印刷しただけなのでこれから内容を理解しようと思います。
この話題についてCloudy nightsでは下記のスレッドがあります;
What did Lord Rayleigh say(レイリー卿が述べたこと)
→レイリーの光学精度に関する論文を調べた人による興味深い内容です。
・卓上望遠鏡の便利さ
ベランダからちょっと星を見たいと思ったとき、
@窓を開け、A望遠鏡を載せる台(三脚の上に板を載せたもの)をベランダに出し、
Bクエスターを部屋から持ってきて台の上に置く(北極星は見えないので極軸合わせ
は方位磁石を使用)
とすぐに準備ができ非常に楽です(かたずけも簡単)。口径が小さいので温度順応も
短い時間で済みます。
また、クエスターはバックに入れて電車で旅行に持っていけるのも良いです。
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5月12日(土)
APQ100/640とクエスターの見え方の比較ページを作成しました。
また、クエスターのミラーシフト(イメージシフト)の情報も載せました。
APQ100/640とQuestar3.5の見え方比較
5月8日(火)
・先週の金土は望遠鏡オフに参加するため小淵沢に電車で行ってきました。天気は
良かったのですが風が強くてシーイングが悪く倍率は上げられませんでした。望遠鏡
はクエスターを持っていきました。
・最近ミトの足の弱りが進み自分で立つことも難しくなりました。そこで簡単な歩行器を
作りました。まだ調整してないので立てただけですが、自力で進むのは難しそうです。

4月30日(月)
・天文とは関係ない話ですが、明け方寝ていたら布団の上に何かがポトンと落ちて
目が覚めました。起きてよく見るとなんと大きなムカデでした。自宅の天井は写真の
ように木がむきだしなので梁を伝わってムカデが進み途中で落ちたようです。
ムカデは冷凍殺虫剤で処理しましたが、寝ているときに顔の上に落ちてきたら気持ち
悪いし刺されると痛いので、今後はムカデ除けの蚊帳の中で寝るようにします。
家の付近は崖が近くムカデがよく出るところです。

・これも天文とは関係ない話ですが、先週金曜日に外出しようと車の車庫に行ったら
車庫の前の道(市道)の真ん中に犬の死骸があり、数日経っているように見えました。
市の清掃センターに連絡してかたずけてもらいましたが、昨日はなかったので誰かが
捨てに来たのかもしれません。
4月27日(金)
・来週の金土の天気は良くなる方向のようです。星が見れることを期待します。
・フラウンフォーファー回折を求める際の座標系は本により少し違いがあります。
下の座標系1は開口の原点から焦点面上の点PにラインRが引かれているのに
対し、座標系2は焦点面の原点から開口の球面波面上の点QにラインRが引かれて
います。Hechtの光学は座標系1、Daniel. J. SchroederのAstronomical Opticsは
座標系2が使われています。近似の計算方法が少し異なりますが最終結果は同じ
になります。


4月26日(木)
・来週の金、土は毎年参加している望遠鏡オフ会の予定ですが天気が悪そうです。
・Daniel. J. SchroederのAstronomical Opticsのフラウンフォーファー回折の説明を
読んでいて疑問な箇所がありました。
P.243の式の計算ですが、
x2=(ξ-x)2+(η-y)2+(ζ-z)2=ξ2+x2+η2+y2+ζ2+z2-(xξ+yη+zζ)
=R2-(xξ+yη+zζ)
これは、x, y, zの二乗の項がnegligibleと書いてありますが、zではなくてζでは
ないでしょうか(ζは開口の球面波面の曲がる値なので非常に小さい。一方、zは
点Pの光軸方向の量で、(ζ-z)=R+αであることから無視できる値ではない)。
次に、s-R=-(xξ+yη+zζ)/R=-(xξ+yη)/R+z(1-(ξ2+η2)/2R2)
という式が出てきますが、
s-R=-(xξ+yη+zζ)/R=-(xξ+yη)/R+z(ξ2+η2)/2R2
となるのではないかと思います。
Setting z=0 to limit to the paraxialfocal planeと書いてありますが、
これはSetting z=Rでは? z=Rとすると、
s-R=-(xξ+yη+zζ)/R=-(xξ+yη)/R+R(ξ2+η2)/2R2
となり、(ξ2+η2)/2R2の項がnegligibleでき、
s-R=-(xξ+yη)/R
が求まります。
4月25日(水)
・Questar 5 の情報について
今年のNEAFでプロトタイプのQ5(5インチのクエスター)が公開されたようです。
そのとき配られたと思われるSpec. sheetがCloudy nightsに載っています;
Questar 5 spec. sheet
4月23日(月)
APQに保護フィルターを装着しました。
市販の112mm保護フィルターが着けられる対物キャップを製作依頼していた
ものが届きました(下の写真)。花粉などから対物レンズを保護するのが目的
ですが、これを着けて見ても見え方にはあまり影響はないようです。


4月20日(金)
・先週の土曜日は長崎県の諫早へ行きましたが、諫早駅に到着すると大変な
雨風でとてもスターパーティーの会場に行けるような状況ではありませんでした。
会場へ行くのは諦め、この日は諫早駅の近くのホテルに泊まり、日曜の朝、福岡
へ戻りました。諫早駅周辺はコンビニが1件もなく寂しい所でした。15日は福岡県
春日市の白水大池公園の星の館で行われていた観望会に参加しましたが、こちら
も天気は1,2等星がようやく見えるような薄曇りの空でした。クエスターを持参し
ましたが殆ど使う機会がありませんでした。
(追記)スターパーティー in 白木峰は年に3回開催されているそうです。facebookと
HPに開催日と場所がアナウンスされていますが、それ以外の情報はあまりありま
せん。観望会の結果も古い情報しか載っていません。

↑15日朝の諫早市街(日曜の朝は晴れてきた)
4月7日(土)
・来週の土曜日は長崎県諫早市へ行き、スターパーティー白木峰に参加する
予定です(天気は良くないかもしれませんが天候に関らず行く予定)。土曜の
夜は諫早のホテルに宿泊し、次の日福岡へ行くスケジュールです。
・光学の方はMax Born and Emil WolfのPrinciple of Opticsの8.8節「焦点近傍に
おける3次元回折分布」を読みました。Lommel関数など、フラウンフォーファー回折
よりは計算式の導出が面倒(*)ですが、これにより焦点内外像が出来る理論的
背景を理解することができました。スターテストの本はlongitudinal slice through
the focusなど、焦点近傍の回折分布は結果の図(下の図)しか載ってなく何故
そうなるのかはずっと疑問でしたが、上記の本を読んで疑問が解消しました。

(*)計算式が面倒といっても使われているのは18〜19世紀前半の古典数学です。
「焦点近傍における3次元回折分布」で分かり難い点があるとすれば、それは
下記の図です;
この図では、焦点Oから開口にある波面上の点Qへ向かうベクトルfqがあります。
通常とは逆向きの光の進み方です。焦点外の点Pでの回折光の強さを求めるために
このような逆向きの光を考えます。そのため、点での光の振幅をAとしたとき点Qでの
入射波の振幅はA/fとなり、この光が回折により点Pに到達すると考えます。
フラウンフォーファー回折の解法とは異なり、座標系は焦点Oを中心とする3次元座標
のみで解きます。s-f=-q.Rの右辺はベクトルqとRの内積です。

3月15日(木) Occulting Bar
十字線付のアイピースに黒くて細長い紙を付けてOcculting barを作りました。
昨日の夜、これでシリウスを見てみました(倍率280倍)。
リゲルの伴星で離角の間隔を確認した後、シリウスに望遠鏡を向けました。
シーイングはあまり良くなく、伴星は見えませんでしたが、主星の回折像を完全に
隠して見れるので効果はありそうです。280倍の視野には恒星が3つ見えました。
星図で確認すると、8等星、9等星、それから11等星までの星図に載ってない星
が一つ(12等?)でした。

シーイングの良い日に再度見てみます。
2018年3月8日(木)
・シリウス伴星も離角が大きくなってきたのでCloudy NightsのDouble star observing
では複数のスレッドが立っています;
・Siriusu B oberved
・Sirius B with 4" Mak
この他にも有り。
→これを見ると、様々な種類の望遠鏡でのシリウスBのレポートが載っています。
4インチ屈折など小口径でも条件が良ければ見えるようです。
中には、 3.5" Skywatcher Virtuosoでも見えたというのもあります。これはシリウス
Aを視野の端から外していくと見えるようになったそうです。
3.5" Skywatcher Virtuosoは、250ドルの安価な卓上の90mmマクストフ望遠鏡ですが
これでシリウスBが見えるとは驚きです。
・4/14に長崎県諫早市の白木峰でスターパーティ in 白木峰が開催されるそうです。
4月中旬は福岡に帰る予定にしていたので少し足を延ばしてこれに参加しようかと
考えています(クエスターなら持って行けるので)。
2018年2月25日(日)
・最近天候が不安定であまり晴れません。先日リゲルの伴星を見ました。
APQ100/640の方はシーイングが良くなくても伴星ははっきり見えるのに
対し、クエスターの方は回折リングがじゃまをするのかよく見えませんでした。
同じ条件で見たので明らかに見え方に差がありました。シーイングが良い日
にもう一度見比べてみます。
・Star Testingの本の付録B Calculation Methodは内容的に難しいですが、
最近フラウンフォーファ回折を見直していてようやく内容が分かってきました。
特に、B.3 Image Calculations for Symmetric ApertureのMTFの算出式の部分
です。「The image is merely the convolution of a perfect simsoidal target
with the point spread function. ・・・」
このあたりの内容については近いうちにレポートする予定です。
・ミトは2月14日で16歳になりました。
かなり高齢のため後ろ足が弱くなりましたが、散歩はなんとかできます。


2018年2月12日(月)
・先月の定例観望会(1月20日土曜)は天気も良く多数の参加者があり、
幸先の良い出だしとなりました。
・1月31日の月食は、ひたち星の会の皆既月食観望会に参加しました。
そのときの様子は、ひたち星の会ホームページに載っています;
皆既月食観望会 in 池の川さくらアリーナ駐車場
2018年1月10日(水)
Sky&Telescopeの天球儀が届きました(去年の暮れに注文していたもの)。

天球儀の全体像

おおいぬ座付近
大きさは12インチ(約30cm)です。5等星までの恒星と主要な星雲星団(M天体他)
が載っています。伝統的な天球儀では、星座が裏像で描かれていますが、この
天球儀は上図のおおいぬ座付近の例のように星図の通りになっています(裏像
ではない)。そのため実際の星の配列と比較するのに便利です。また、星図の
ように頁に分断されてないので星座間の全体像を容易に把握でき、観望会等で
はじめての人に星座を説明するのに役に立ちそうです。
2018年1月3日(水) カノープス
昨夜、市内の神峰公園展望台(海抜約120m)からカノープスを見ました。
この場所は、緯度が36度36分なので、カノープスの高度は1度以下ですが、
大気による浮き上がりで1度少しとなります。正月休みで町明かりも少ない
ためカノープスは良く見えました。そのときのスケッチは下記です。
上はファインダーによる倒立像、下はAPQ100/640で倍率約25倍(ほぼ南中の頃)
です。


→アイピースの見かけ視野は45度なので倍率25倍ならば、実視野は1.7度
です。この視野に海面とカノープスが見えていて、その差は視野の7割位
なので、カノープスの海面からの高度は1.7*0.7=約1.2度となります。
カノープスはオレンジ色に見え、その見かけの明るさは5等級位でした。
(1月12日追加)
カノープスを見た場所からの昼間の眺めです;
市の中心街の建物の先に海が見えます。カノープスは真ん中の木の上の方角
でした。

11月17日(土) フレネルゾーン
star Testingの4.3.2節にフレネルゾーンの説明があり、最初に下の図が登場します。

この図は、下のように回折光が開口のnear portionとdistant portionで丁度1波長の
距離の差が生じるようなケースに対応します。このとき、回折光が焦点を結ぶoffset
の位置は焦点から1.22λf/Dにあり、回折像の最初の暗となります。
第1フレネルゾーンは、開口の中で回折光の距離の差が1/4λから3/4λの間に対応
します。第2フレネルゾーンは、開口のそれ以外の部分となります。
従って、第1フレネルゾーンでは2つの回折光の距離の差がλ/2以内となります。、
第2フレネルゾーンでは、nearの領域内の回折光とdistant領域内の回折光の距離の差
は、λ/2とλの間になります。

Star Testingの説明図では、フレネルゾーンは(+)と(−)で表されています。これは、
第1フレネルゾーンの方が第2フレネルゾーンよりも位相が進み、逆に第2フレネルゾーン
は第1フレネルゾーンよりも位相が遅れていることを表しています。しかし、この進み、遅れ
は光が開口に到達したときの位相により変わるので、この(+)、(−)のパターンは
9.2×10-16秒(注)毎に逆転します。
(注)光が1マイクロメートル(=1000nm)進む時間=3.3×10-15なので、光の波長を560nm
とすると、光が半波長進む時間=3.3×560/1000×10-15=9.2×10-16
11月12日(月)
Cloudy NightsのDouble Star Obsevingに北緯55°という厳しい条件の下、
114年前の古い口径85mmのZeiss A アポクロマートで見たというスレッドが
ありました(双眼装置使用);
Sirius B observed
11月5日(月)
日本語で使い方の載っている本はないようなので
「Filar micrometerの使い方」を公開しました。
11月2日(金)
31.7mm→50.8mmのサイズアップアダプターを入手しました。
(ASTROLABE製)

通常の変換アダプターでは50.8mm→31.7mmが一般的ですが
これは逆の変換アダプターです。いろいろ探しても中々なかった
のですが福岡の天文ハウスTOMITAさんに在庫がありました。
これを探していた理由は、ファイラーマイクロメーターを31.7mmの
接眼部に付けるためです。

サイズアップアダプターの2インチ側は、ファイラーマイクロメーターに
接続され、方位角の円盤状ディスクを固定します。これによりファイラー
マイクロメーターのボックスは自由に回転できるようになります。
サイズアップアダプターの31.7mm側は接眼部に接続されます。
10月23日(火)
今月は、福島県田村市のスターライトフェスティバルが台風の予報で
中止となりましたが、実際には風はあるものの天気は良かったので
現地に行き1泊しました。夕方からは快晴となり、月もなく天の川が
はっきり見える素晴らしい星空の下、APQとクエスターで秋の星雲星団
観望を楽しみました。また、地元の若い人5〜6人が星を見に来ていた
のでAPQの低倍率(W-31S)でスバルや二重星団、M32などを見て
もらったりしました。毎年天気が良くないことが多いスターライトフェスティバル
ですが、中止となった今年は皮肉にも雲一つない快晴でした。
翌週の10/13土曜日は栃木県大田原市で開催された「星旅祭り2018」
に星空観望会のサポートとして参加しましたが天候はあいにくの曇天
でした。このときの様子は、「星旅祭り2018 & 観望会」という井上さん
のブログに詳しく紹介されています。
また、10/19〜10/22はクエスターを持参して松江、出雲、鳥取、城崎温泉
を旅行しました。ルートは、新幹線で岡山→伯備線で松江(泊)→松江城
→出雲大社→知人宅→出雲星空観望会参加(会場泊)→山陰線で鳥取
→鳥取砂丘→山陰線で城崎温泉(泊)→山陰線で京都→新幹線→常磐線
でした。(最初、往復は寝台列車のサンライズ出雲にするつもりでしたが、
一か月前を少し過ぎた頃に駅で予約しようとしたら既に全席完売でした。
ネットで見るとサンライズ出雲は人気の列車で予約はなかなか取れない
そうです。)

↑松江城とクエスター3.5
このとき、10/20には出雲に住んでいる方に会い、その後、出雲星空観望会
に参加しました。天気はこの観望会としては4年ぶりの晴れということで
した。時々部分的に雲がありましたが、月などを十分観望できました。
(追加)下の写真は米子駅から鳥取駅まで乗った「快速とっとりライナー」
快速といってもわずか2両のワンマンカーです。出雲市駅から城崎温泉駅
まで山陰本線は3回乗り換えが必要でした。距離は230kmですが単線なので
非常に時間がかかります。距離的には常磐線の品川駅からいわき駅と同じ位
ですが時間は2〜3倍近くかかります。山陰は観光地が離れているのでとにかく
移動に時間がかかります。出雲市から城崎温泉まで、途中で寄った観光地は
鳥取砂丘だけでしたが10時間位かかり、砂丘での滞在時間は1時間もないくらい
でした。

↓鳥取砂丘:快晴でした

↓城崎温泉:川沿いに温泉宿が並びます。七つの外湯めぐりができます。
志賀直哉の「城の崎にて」で有名。

9月18日(火)
ヤフーオークションに珍しくクエスター3.5が出て終了しています。
https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/u222586929
このクエスターのシリアル番号を見ると #3-QTZ-1614 なので
1963年製のようです(#3は1963, 1973, 1983 or 1993を意味し、
1960年代のシリアル番号は700, 800から3900,4000番台なので)。
QTZはQuartz Mirrorのようです。
尚、シリアル番号の見方はCloudy nightsのQuestar forumにあります;
Questar Serial Number Question
また、シリアルナンバーの体系は、
QUESTAR SERIAL NUMBER SYSTEMS
ちなみに、私のクエスターのシリアル番号は 17-11387-BB です。
17は2017年製を意味し、BBはBroad-Bandコーティングの略です。
BBコーティングは約16% 光のロスを少なくすることができるとのことです。
9月10日(月)
先月の25日以来、二週間以上曇りや雨の日が続き星は全く見えません。秋の長雨に
入ったようです。10月には天体のイベントが多くあるので、それまでには秋の長雨は
終わってほしいものです。参加を予定しているイベントは、田村市のスターライトフェス
ティバルと大田原市の星旅祭などです。
9月2日(日)
クエスターについて書かれたブログは少ないですが、通常の天文のブログ分野でない
ところで下記2つを見つけました;
・望遠鏡のロールスロイス −Blog「わが窓より行け」より
・Questar - Horatio Hanna's Blog
8月27日(月)
今年は春に日立市科学館の天文ボランティアになったので、8月は小中学生向けの
観望会が多数あり、下記に参加しました;
8月3日、4日→◎快晴。8月7日→×天候悪く中止。8月17日→◎快晴。
8月20日→△雲間から月のみ。8月21日→◎快晴。8月22日→◎快晴。
8月24日→△雲間から月、惑星。8月25日、26日、27日→3日とも×夕方雷雨で中止。
→良く見えたのは5回、一部見えたのは2回でした。
特に、8月3、4日はシーイングも非常に良く素晴らしい惑星像でした。
私の望遠鏡では、APQ100/640で土星、クエスターで月またはアルビレオを見て
もらいました。参加者からはクエスターで見る月の全景は非常にシャープで見やすい
との感想でした。
8月10日(金)
天文ガイド9月号の69頁に「第10回星空案内人の集い」の報告が載っています。
これは福島県三春で6月23,24日に行われました。そのときの様子は
「第10回"星空案内人の集い”に行ってみた」という井上さんのブログに詳しく紹介
されています。
8月5日(日) 惑星観望
7/31(火)はすばる天文同好会の臨時観望会、8/3と8/4は地域の交流センターの
天体観望会と惑星観望の日が続きました。
いずれもシーイングが良く、特にAPQ100/640で見た土星や木星はピタリと像が止まり、
これまで見た中で最高の見え方でした。10cmでもこれだけ見えるのかと驚くような素晴
らしい見え方でした。
このときは、天頂プリズムの前に双眼装置用のバーローレンズ(多分1.4倍)を着け、
さらにテレビューの5倍パワーメイト+A-25又はパンオプティック19mmでした。従って
倍率は、180倍又は236倍です。200倍前後の倍率が惑星を見るのにちょうどよい拡大率
のように思われます。特に180倍の時はハッブルの画像を小さくしたかのように非常に
シャープで美しい像でした。
7月20日(金)
火星大接近ということで「星のふるさと」を読みました。小口径での火星観察として
非常に参考になります。

7月19日(木)
(1)火星儀
Sky&Telescopeの小型火星儀(直径15cm)を購入しました。6月下旬に注文して届くのに
半月かかりました。

(2)クエスターを載せる台の改良。
クエスターの卓上三脚が置ける最小の台にしました。

左が今回作った台
三脚に付けてクエスターを載せるとこのようになります;

三脚は細長のキャリーケースに入れて運べます。
三脚を入れても余裕があるので旅行にも使えます;


クエスターを載せる台はビニールの手提げに入れて運びます;

一方、クエスターは望遠レンズ用のリュックに入れて運びます;

以上により、クエスターとそれを載せる三脚、台をすべて一人で
運べるようになりました。→電車で移動可能となります。
7月10日(火)
先月、福島県三春町で行われた「星空案内人の集い」から帰ってきてからミトの食欲が
次第になくなり、6月末頃にはドックフードもおやつも殆ど食べなくなりました。動物病院へ
連れて行き検査を受けると腎不全でかなり深刻であることが分かりました。それから数日
朝から夕方まで入院して点滴を受け、流動食や水はシリンジで口から与えましたが段々
受け付ける量が減少し、食事も水も殆ど受け付けなくなり眠るように7月8日昼頃亡くなり
ました。16歳4か月と天寿を全うしたと思います。本日ペット霊園で火葬を行いました。

長い間家族の一員として、常に一緒に行動し多くの楽しい思い出を残してくれたミト
に感謝します。天文関係でも石川町や星の村のスターフェスティバルや同好会の定例
観望会に一緒にいったりなど数えきれない思い出が蘇ります。
観望会等でミトをかわいがって頂いた方々にこの場を借りてお礼申し上げます。
5月29日(火)
・波面精度のレイリーの1/4波長クライテリオン(P-V波面収差が1/4波長を越えるならば、
その光学系はデグレードが始まる)は光学のいろんな本に載っていますが、レイリーが
どういう理由でそのルールを導いたのかの説明は見当たりません。そこでレイリーの
論文集を調べて見ると、第1巻のP.432-435に理由が載っていました。今日はこれを含む
ページを印刷しただけなのでこれから内容を理解しようと思います。
この話題についてCloudy nightsでは下記のスレッドがあります;
What did Lord Rayleigh say(レイリー卿が述べたこと)
→レイリーの光学精度に関する論文を調べた人による興味深い内容です。
・卓上望遠鏡の便利さ
ベランダからちょっと星を見たいと思ったとき、
@窓を開け、A望遠鏡を載せる台(三脚の上に板を載せたもの)をベランダに出し、
Bクエスターを部屋から持ってきて台の上に置く(北極星は見えないので極軸合わせ
は方位磁石を使用)
とすぐに準備ができ非常に楽です(かたずけも簡単)。口径が小さいので温度順応も
短い時間で済みます。
また、クエスターはバックに入れて電車で旅行に持っていけるのも良いです。


5月12日(土)
APQ100/640とクエスターの見え方の比較ページを作成しました。
また、クエスターのミラーシフト(イメージシフト)の情報も載せました。
APQ100/640とQuestar3.5の見え方比較
5月8日(火)
・先週の金土は望遠鏡オフに参加するため小淵沢に電車で行ってきました。天気は
良かったのですが風が強くてシーイングが悪く倍率は上げられませんでした。望遠鏡
はクエスターを持っていきました。
・最近ミトの足の弱りが進み自分で立つことも難しくなりました。そこで簡単な歩行器を
作りました。まだ調整してないので立てただけですが、自力で進むのは難しそうです。

4月30日(月)
・天文とは関係ない話ですが、明け方寝ていたら布団の上に何かがポトンと落ちて
目が覚めました。起きてよく見るとなんと大きなムカデでした。自宅の天井は写真の
ように木がむきだしなので梁を伝わってムカデが進み途中で落ちたようです。
ムカデは冷凍殺虫剤で処理しましたが、寝ているときに顔の上に落ちてきたら気持ち
悪いし刺されると痛いので、今後はムカデ除けの蚊帳の中で寝るようにします。
家の付近は崖が近くムカデがよく出るところです。

・これも天文とは関係ない話ですが、先週金曜日に外出しようと車の車庫に行ったら
車庫の前の道(市道)の真ん中に犬の死骸があり、数日経っているように見えました。
市の清掃センターに連絡してかたずけてもらいましたが、昨日はなかったので誰かが
捨てに来たのかもしれません。
4月27日(金)
・来週の金土の天気は良くなる方向のようです。星が見れることを期待します。
・フラウンフォーファー回折を求める際の座標系は本により少し違いがあります。
下の座標系1は開口の原点から焦点面上の点PにラインRが引かれているのに
対し、座標系2は焦点面の原点から開口の球面波面上の点QにラインRが引かれて
います。Hechtの光学は座標系1、Daniel. J. SchroederのAstronomical Opticsは
座標系2が使われています。近似の計算方法が少し異なりますが最終結果は同じ
になります。


4月26日(木)
・来週の金、土は毎年参加している望遠鏡オフ会の予定ですが天気が悪そうです。
・Daniel. J. SchroederのAstronomical Opticsのフラウンフォーファー回折の説明を
読んでいて疑問な箇所がありました。
P.243の式の計算ですが、
x2=(ξ-x)2+(η-y)2+(ζ-z)2=ξ2+x2+η2+y2+ζ2+z2-(xξ+yη+zζ)
=R2-(xξ+yη+zζ)
これは、x, y, zの二乗の項がnegligibleと書いてありますが、zではなくてζでは
ないでしょうか(ζは開口の球面波面の曲がる値なので非常に小さい。一方、zは
点Pの光軸方向の量で、(ζ-z)=R+αであることから無視できる値ではない)。
次に、s-R=-(xξ+yη+zζ)/R=-(xξ+yη)/R+z(1-(ξ2+η2)/2R2)
という式が出てきますが、
s-R=-(xξ+yη+zζ)/R=-(xξ+yη)/R+z(ξ2+η2)/2R2
となるのではないかと思います。
Setting z=0 to limit to the paraxialfocal planeと書いてありますが、
これはSetting z=Rでは? z=Rとすると、
s-R=-(xξ+yη+zζ)/R=-(xξ+yη)/R+R(ξ2+η2)/2R2
となり、(ξ2+η2)/2R2の項がnegligibleでき、
s-R=-(xξ+yη)/R
が求まります。
4月25日(水)
・Questar 5 の情報について
今年のNEAFでプロトタイプのQ5(5インチのクエスター)が公開されたようです。
そのとき配られたと思われるSpec. sheetがCloudy nightsに載っています;
Questar 5 spec. sheet
4月23日(月)
APQに保護フィルターを装着しました。
市販の112mm保護フィルターが着けられる対物キャップを製作依頼していた
ものが届きました(下の写真)。花粉などから対物レンズを保護するのが目的
ですが、これを着けて見ても見え方にはあまり影響はないようです。


4月20日(金)
・先週の土曜日は長崎県の諫早へ行きましたが、諫早駅に到着すると大変な
雨風でとてもスターパーティーの会場に行けるような状況ではありませんでした。
会場へ行くのは諦め、この日は諫早駅の近くのホテルに泊まり、日曜の朝、福岡
へ戻りました。諫早駅周辺はコンビニが1件もなく寂しい所でした。15日は福岡県
春日市の白水大池公園の星の館で行われていた観望会に参加しましたが、こちら
も天気は1,2等星がようやく見えるような薄曇りの空でした。クエスターを持参し
ましたが殆ど使う機会がありませんでした。
(追記)スターパーティー in 白木峰は年に3回開催されているそうです。facebookと
HPに開催日と場所がアナウンスされていますが、それ以外の情報はあまりありま
せん。観望会の結果も古い情報しか載っていません。

↑15日朝の諫早市街(日曜の朝は晴れてきた)
4月7日(土)
・来週の土曜日は長崎県諫早市へ行き、スターパーティー白木峰に参加する
予定です(天気は良くないかもしれませんが天候に関らず行く予定)。土曜の
夜は諫早のホテルに宿泊し、次の日福岡へ行くスケジュールです。
・光学の方はMax Born and Emil WolfのPrinciple of Opticsの8.8節「焦点近傍に
おける3次元回折分布」を読みました。Lommel関数など、フラウンフォーファー回折
よりは計算式の導出が面倒(*)ですが、これにより焦点内外像が出来る理論的
背景を理解することができました。スターテストの本はlongitudinal slice through
the focusなど、焦点近傍の回折分布は結果の図(下の図)しか載ってなく何故
そうなるのかはずっと疑問でしたが、上記の本を読んで疑問が解消しました。

(*)計算式が面倒といっても使われているのは18〜19世紀前半の古典数学です。
「焦点近傍における3次元回折分布」で分かり難い点があるとすれば、それは
下記の図です;
この図では、焦点Oから開口にある波面上の点Qへ向かうベクトルfqがあります。
通常とは逆向きの光の進み方です。焦点外の点Pでの回折光の強さを求めるために
このような逆向きの光を考えます。そのため、点での光の振幅をAとしたとき点Qでの
入射波の振幅はA/fとなり、この光が回折により点Pに到達すると考えます。
フラウンフォーファー回折の解法とは異なり、座標系は焦点Oを中心とする3次元座標
のみで解きます。s-f=-q.Rの右辺はベクトルqとRの内積です。

3月15日(木) Occulting Bar
十字線付のアイピースに黒くて細長い紙を付けてOcculting barを作りました。
昨日の夜、これでシリウスを見てみました(倍率280倍)。
リゲルの伴星で離角の間隔を確認した後、シリウスに望遠鏡を向けました。
シーイングはあまり良くなく、伴星は見えませんでしたが、主星の回折像を完全に
隠して見れるので効果はありそうです。280倍の視野には恒星が3つ見えました。
星図で確認すると、8等星、9等星、それから11等星までの星図に載ってない星
が一つ(12等?)でした。
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シーイングの良い日に再度見てみます。
2018年3月8日(木)
・シリウス伴星も離角が大きくなってきたのでCloudy NightsのDouble star observing
では複数のスレッドが立っています;
・Siriusu B oberved
・Sirius B with 4" Mak
この他にも有り。
→これを見ると、様々な種類の望遠鏡でのシリウスBのレポートが載っています。
4インチ屈折など小口径でも条件が良ければ見えるようです。
中には、 3.5" Skywatcher Virtuosoでも見えたというのもあります。これはシリウス
Aを視野の端から外していくと見えるようになったそうです。
3.5" Skywatcher Virtuosoは、250ドルの安価な卓上の90mmマクストフ望遠鏡ですが
これでシリウスBが見えるとは驚きです。
・4/14に長崎県諫早市の白木峰でスターパーティ in 白木峰が開催されるそうです。
4月中旬は福岡に帰る予定にしていたので少し足を延ばしてこれに参加しようかと
考えています(クエスターなら持って行けるので)。
2018年2月25日(日)
・最近天候が不安定であまり晴れません。先日リゲルの伴星を見ました。
APQ100/640の方はシーイングが良くなくても伴星ははっきり見えるのに
対し、クエスターの方は回折リングがじゃまをするのかよく見えませんでした。
同じ条件で見たので明らかに見え方に差がありました。シーイングが良い日
にもう一度見比べてみます。
・Star Testingの本の付録B Calculation Methodは内容的に難しいですが、
最近フラウンフォーファ回折を見直していてようやく内容が分かってきました。
特に、B.3 Image Calculations for Symmetric ApertureのMTFの算出式の部分
です。「The image is merely the convolution of a perfect simsoidal target
with the point spread function. ・・・」
このあたりの内容については近いうちにレポートする予定です。
・ミトは2月14日で16歳になりました。
かなり高齢のため後ろ足が弱くなりましたが、散歩はなんとかできます。
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2018年2月12日(月)
・先月の定例観望会(1月20日土曜)は天気も良く多数の参加者があり、
幸先の良い出だしとなりました。
・1月31日の月食は、ひたち星の会の皆既月食観望会に参加しました。
そのときの様子は、ひたち星の会ホームページに載っています;
皆既月食観望会 in 池の川さくらアリーナ駐車場
2018年1月10日(水)
Sky&Telescopeの天球儀が届きました(去年の暮れに注文していたもの)。
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天球儀の全体像
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おおいぬ座付近
大きさは12インチ(約30cm)です。5等星までの恒星と主要な星雲星団(M天体他)
が載っています。伝統的な天球儀では、星座が裏像で描かれていますが、この
天球儀は上図のおおいぬ座付近の例のように星図の通りになっています(裏像
ではない)。そのため実際の星の配列と比較するのに便利です。また、星図の
ように頁に分断されてないので星座間の全体像を容易に把握でき、観望会等で
はじめての人に星座を説明するのに役に立ちそうです。
2018年1月3日(水) カノープス
昨夜、市内の神峰公園展望台(海抜約120m)からカノープスを見ました。
この場所は、緯度が36度36分なので、カノープスの高度は1度以下ですが、
大気による浮き上がりで1度少しとなります。正月休みで町明かりも少ない
ためカノープスは良く見えました。そのときのスケッチは下記です。
上はファインダーによる倒立像、下はAPQ100/640で倍率約25倍(ほぼ南中の頃)
です。
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→アイピースの見かけ視野は45度なので倍率25倍ならば、実視野は1.7度
です。この視野に海面とカノープスが見えていて、その差は視野の7割位
なので、カノープスの海面からの高度は1.7*0.7=約1.2度となります。
カノープスはオレンジ色に見え、その見かけの明るさは5等級位でした。
(1月12日追加)
カノープスを見た場所からの昼間の眺めです;
市の中心街の建物の先に海が見えます。カノープスは真ん中の木の上の方角
でした。
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