星見雑記帳 2014年1月〜12月


14年12月27日(土)

今年も残すところ僅かですが、今年の私の主な天文関係の出来事は、
@2月9日に「かわさき宙と緑の科学館」でカールツァイス製天体望遠鏡愛好者の交流会
 「Telementor Treffen2014」に参加。
A5月24日〜25日に「望遠鏡オフ2014in小淵沢」に参加。
B10月11日に第3回星の村スターライトフェスティバルに参加。
CStar Testingのパワーポイント資料(図解を入れて私が理解した範囲で要点を解説したもの。12章
 の色収差を除くすべての章)を1月から7月にかけて作成(スライドの枚数は全部で約300枚)。

14年12月22日(月)

・暫く更新してませんでしたが、最近の天文活動は、主に同好会の定例観測会でした。Star Testingは
 「第4章 回折」を読み直していますが、この章は難航しています。
 先週の土曜日には、ひたちなか市の小学校で観望会があり16インチドブで参加しました。
・HPのトップに「天文以外の頁」へのリンクを作成しました。この頁はソフトウェアと数学に関係する
 話題です。

14年11月21日(金)

(1)Star Testingの第3章の話題の続きです。
下の図はStar Testingの「図3.8  デフォーカスされた放射状のバー」です。前回読んだときは
この図の意味が分かりませんでしたが、今回読み直してようやくその意味が分かりました。

 
MTFはデフォーカス(焦点外すこと)の量によりそのカーブが大きく垂れ下がります。この量が
大きいとMTFの値がマイナスになることがあります。これはバーの明暗が反転することを意味
します。上の図はこの例として示されています;
「This picture was taken with a severely defocused camera lens pointed at a radisl bar target.
・・・ As the pattern passes through a completely unresolved gray area, it emerges on the other
side with opposite intensity.」→この文章の意味は、下記です;
「この図は放射状のバーという対象を、非常に焦点の外れたカメラレンズで撮ったものです。
・・・(放射状のバーの)パターンは完全に分解できない灰色の領域を通過するので、それは反対
の強さで(灰色の領域の)向こう側に現れます。」
→すなわち、バーの一部で明暗の逆転が起きています。

(2)数学者グロタンディーク氏死去のニュースが出ていました。
業績等はWikipediaに載っていますが、現代数学の抽象化に大きな影響を与えた大数学者です。
Wikipediaに書かれている内容は数学専門の人でないと意味不明だと思われますが、要は、
現代抽象数学の研究方法を確立したということです。高校で習う数学は主に300年位前の17世紀頃
の数学です。大学の工学部で学ぶ数学も多くは18世紀頃の数学です。ガロアやリーマンは19世紀の
数学者ですがこれらの理論は数学科の学部でようやく学びます。グロタンディークに始まる抽象数学
は20世紀後半ですが、あまりに抽象化されすぎてそれを説明するのは難しいようです。
現代数学にとって必須の概念とされるコホモロジーの入門としては、
    加藤五郎著 コホモロジーのこころ 岩波書店
などがあります。しかし、そこには記号と矢印は出てきますがもはや式も数もないような世界です。
抽象化と形式化が現代の数学の流れでしょうか。

14年11月19日(水)

Star Testing第2版第3章をようやく読み終えました。第2版は3.4.2節まで第1版と殆ど同じですが
3.4.3から3.4.6までの節が新たに追加されています。
■注意する単語
・encapsulate:要約する。次の文章で使われています;
第1版のP.53:「An unwritten protocol in the design of astronomical telescopes demands that
the designer encapsulate the maximum number of desirable features at the focus of both eyepiece
and the objective.」
→unwritten protocol:不文律、focusは、ここでは望遠鏡の焦点ではなく着目するの意味です。
従って、上の文の意味は、「天体望遠鏡の設計における不文律は、設計者がアイピースと対物の
両方に着目して、望ましい特性の最大数を要約することを要求します。」となると思います。
■第3章で難しい箇所
・3.2.3節のオーバーサンプリングの話と、第2版の3.4.5節の回折像とMTFの関係の話です。
→この2つの節は熟読する必要があります。例えば、オーバーサンプリングの話では、次のような
話題が議論されます;
第1版のP.43:「・・・This procedure works on low contrast details even when the magnification
expands the blurring of the telescope beyond the best resolution of eye, which makes a true
form of oversampling. The eye has a maximum resolution of about 1 arcminute, but the image
continues to improve until magnification drives the radius of the Airy disk beyond 4 to 8 arcseconds.」
→この文章を理解するためには人間の瞳口のサイズとそれに対応するエアリーディスクのサイズを
求めておく必要があります。エアリーディスクの半径=1.22*λ/D (秒角)なので、人間の瞳口が6mmと
3mmの場合、エアリーディスクの半径は各々、約2分角、4分角となります。これを踏まえるとこの文章
の意味は、「・・・この手順は眼のベストな分解能を超えて望遠鏡のぼやけを拡大したときでも
コントラストの低い細部で機能します。これはオーバーサンプリングの真の形態です。眼は1分角の
最大分解能を持っていますが、像はエアリーディスクの半径が4分角を越えて8分角に拡大される
まで改善し続けます。」→すなわち、エアリーディスクの大きさを2倍に拡大しても見え方に問題ない
ことを述べています(眼のベストな分解能の2倍まで像を拡大可能)。

14年10月27日(月)

(1)私のレポートに「【図解】アポダイゼーションについて」を載せました。
(2)Star Testing第2版の第2章を読みました。第2版は追加の説明や表現の見直しが見られますが
  最初の文章の追加や2.1節を除いてマイナーな修正が多いです。
  第2版の第2節で分かり難い所を追記すると、
   ・P.18の下から14行、15行目
   ・P.19の下から12〜14行目
   ・P.35の下から3行目
  です。

14年10月22日(水)

フラウンフォーファー回折の話で暫く中断していましたが、Star Testingで注意する単語や疑問点
などを続けます。
第1版の第2章のP.22以降は難しい単語や熟語などはあまりありませんが、1つ分かり難い言葉が
あります;
・P..26の13行目:As the impact point deviates from a center-on-center direct hit.の
 center-on -centerの意味は?

他に注意する言葉としては、下記です;
・P.25の下から10行目:At certain angles:angleには「観点、見方、視点」の意味があるので、
 「見方によっては」という意味です。
・P.31の下から11行目:indentation→くぼみという意味です。

また、疑問点として、P.30の同じRoughnesの表現に「small amount(小規模の)」と「excessively
(過度に)」が使われていますが矛盾しているように思われます。

第2版の第2章は、最初に20行ほど新たな文章が追加されています。この中で、分かり難い箇所
は下記です;
・P.17の7〜9行目:Those who read this chapter (and nothing else) know just enough to be
dangerous. The same is true of various magazine articles that have appeared on star testing,
including my own.

この他の第2章の第1版と第2版の違いについては後ほど纏めます。

14年10月15日(水)

【図解】中央遮蔽のある開口の回折像について」を公開しました。

14年10月12日(日)

10/11(土)は第3回星の村スターライトフェスティバルへ行ってきました。到着したのは
14時過ぎで、まだ駐車場も空きがかなりありました。空は快晴で月が出る前までは
天の川も肉眼ではっきり見えるという素晴らしい天気でした。M31や二重星団などを見て
月が昇ってくる頃に帰宅しました。




14年10月6日(月)

・フラウンフォーファー回折は計算が少し面倒ですが、予備知識の説明を追加して資料を作成
 しました。→「フラウンフォーファー回折紹介
・今週末は星の村天文台でスターライトフェスティバルがありますが、天気が良ければ土曜日に
 参加する予定です(去年は福岡に滞在していて参加できませんでした)。

14年9月24日(水)

バビネの原理
Star TestingのP.21を理解するためにはこれを知っておく必要があります。バビネの原理とは、
「互いに相補的な(透明部と不透明部が逆転している)2つの遮蔽が置かれたとき、これによって
任意の点に生ずる回折光の複素振幅の和は、遮蔽が全くないときにその点に生じる複素振幅に
等しい」という原理です。具体的に図で説明すると、
下の一番上の図は、レンズの前に中央が円形に空いたスクリーンA'が置いてあるとします。このとき
回折光の結像面上の任意の点P(図のxは点Pの光軸からの距離)での光の複素振幅をU'とします。
真中の図は、スクリーンA'の中央の透明な部分を塞ぐ障害物A''がレンズの前に置いてあるとします。
このとき、回折光の結像面上の点P(上と同じ点P)での光の複素振幅をU''とします。一番下の図は
スクリーンA'も障害物A''もない場合で、回折光の結像面上の点P(上と同じ点P)での光の複素振幅を
Uとします。このとき、U=U'+U''が成立します。これをバビネの原理と言います。



スクリーンA', A"は下記のようになります。中央遮蔽のケースはA"です。バビネの原理から
U''=U+(-U')なので中央遮蔽の回折像は、遮蔽がない場合(A)と位相が逆転した中央遮蔽が
空いた場合(A')との合成として求めることができます。A'は開口が中央遮蔽と同じ大きさで小さい
ので全開口のAの回折像より粗くなります。また符号もマイナスなので位相も逆転しています。
これらのことから中央遮蔽の焦点を外した回折像で副鏡の影を除く部分の模様がはっきりしなく
なります。



詳細はStar TestingのP.21の6行目から14行目を参照。

(補足)9/25追記
バビネの原理を使えば中央遮蔽のある光学系のフラウンフォーファ回折が求められます;
直径aの円形開口のフラウンフォーファ回折から回折像内の点Pの振幅U(P)は
   U(P)=Cπa2[2J1(kaw)/kaw] ・・・・(1)
となります。(J1はベッセル関数)
今、中央遮蔽の直径をεa(0<ε<1)とすると、直径εaの円形開口の点Pでの振幅U'(P)は
   U'(P)=Cπε2a2[2J1(kεaw)/kεaw] ・・・・(2)
となります。
従って、バビネの原理より、直径εaの中央遮蔽の点Pでの振幅U''(P)は(1)式から(2)式を
引いたものになります;
   U''(P)=U(P)-U'(P)=Cπa2[2J1(kaw)/kaw] - Cπε2a2[2J1(kεaw)/kεaw]

14年9月21日(日)

Star Testing第1版の第2章で注意する単語です;
・P.18の5行目のsmooth background
 →smoothというと、「滑らか」を思い出しますが、smoothには「草原」という意味があり、この意味の方が
  前の文章ともつながるように思われます。
  Try to hang the bulb so that it is viewed against a smooth background.(草原を背景にして見えるよう
  に球を吊り下げて下さい)
・P.19の真ん中付近のartifacts
 →artifactsというと「人工物」という意味が一般的ですが、これでは意味が通じません。artifactsには
  (画像の)「乱れ」という意味もあり、ここでは適切な意味です。
  artifacts caused by temperature diffrences near or within the telescope.(望遠鏡の近く、または内部
  の温度差に起因する乱れ)
・P.20の下の方:either side of focus
 →eitherというと「いずれか」と思いがちですが、ここではeither sideは両側です。
・P.20の下の方:otherwise perfect aperture
 →otherwiseは、「別の、異なる」という意味です。
  すなわち、ここでは3つの異なる完全な開口の例が図示されています。

(9/22追記)
読み直してみると、2.2.1節は難しい所があります;
・P.20の下から4行目;
Fewer dips in intensity are seen across the disk.
→短い文章ですが、これがどういう状況を述べているのか? dips in intensityは光の強度の低下。
  dipsはP.21の真ん中にも登場します。These dips are extreamely delicate and they are destroyed
   ny nearly anything (as in mixing together colors in white light).
  →これらから推察すると、dipsは焦点を外した像で光度が低下して暗く見える部分(リング)のよう
   です(中央遮蔽の影は除く)。

14年9月15日(月)

Star Testing第1版の第1章の読み直しが終わりましたので、今日は第2版の第1章を読みました。


第2版での主な変更箇所は下記です;
・1.1節の冒頭に11行追加されている。
・1.2.2節の内容が半分以上追加変更になっている。
その他数か所に追加変更有り。

14年9月10日(水)

H. R. Suiter著のStar Testing Astronomical Telescopes 第1版を読み直していると、前回よりもかなり
理解が深まったように思います。しかし、それでも理解できない箇所が少し残ります。第1章で意味が
不明な文章は下記です;
・P.3の下から3行目;
 Accurate tests are possible when the strengths of the geometry are exploited.
 →ここでgeometryの意味は?
(9/13追記)
 geometryは「配置」の意味とすると、全体の意味が分かるようです。上の文章の意味は、
 「正確なテストは、テストの配置の長所が引き出されたときに可能となります。」
 →前後の状況からもこの意味のように思われます。

・P.9の真ん中の行;
 MTF charts have the advantage of giving the spacing of detail that the optical problem attacks.
 →ここでspacing of detailの意味は?
(9/14追記)
 detailは「contrast detail(明暗のコントラストパターンの詳細)」、attackは「発症する」の意味とすると
 上の文章の意味は、
 「MTFチャートは、光学的問題が発症するコントラスト詳細の間隔を与えるという利点を持って
  います。」ということになります。すなわち、空間周波数の間隔を変えて与えることができる。

(9/13追記)
第1章を最後まで読み直したら不明箇所がもう一つありました;
・P.14の真ん中付近です;
 You should regard identification of the problem only as an interesting fact if the mistake is ground
 into the glass or use it as a guide for telescope or site modification if the errore are correctable.
→この文章は構造が分かりにくいため難しくなっています。
  →(9/15追記)文の構造としては、You should regard・・・into the glass / or use itというように、glass
    の後で文を区切ります。useはshouldに係る動詞。また、is ground intoは「〜に原因がある」の
    意味です。従って、上の文の意味は、
    「もし、誤りの原因がガラスにあるならば問題の特定を興味ある事実とし、修正可能なエラー
     ならば望遠鏡や設置サイトの修正のためのガイドとしてそれ(=問題の特定)を使用すべき
     です。」

また、直訳では意味が分かりにくいところがいくつかあります。これは意味を少し補足して訳す必要が
あります。例えば、
・P.9の7行目;
 Marechal's criterion on the RMS aberation came from noticing that it leads to the same decrease
 in the Strehl ratio.
 →ここで、the same とは何と比較しているのでしょうか?これはRayleigh criterionにおけるStrehl ratio
    のdecreaseと比較しているのではないかと思います。従って、これを補足して訳してみると、
  「RMSの収差についてのマレシャルの評価基準は、そのしきい値(RMSで1/14λのこと)がストレール
   レシオに関してレイリーの評価基準(1/4λ)と同じ減少(これは0.8までの減少)させるという気付きに
   由来しています。」となるのではないでしょうか。
・P.9の1.3の5行目;
 Implicit in the customary use of a telescope is the fixed objective assumption, which regards the image
 produced by the objective as the whole purpose of the telescope.
 →ここで、fixed objective assumption, whole purposeなど直訳ではピンときません。この文章が何を言い
  たいのかはこの2行後の文章(The star test uses the telescope in a new way. We must assume the
   eyepiece has a fixed position.)との対比で解釈しなければなりません。すなわち、
       customary use of telescope に対して use the telescope in a new way
               fixed objective assumption に対して assume the eyepiece has a fixed position
  従って、上記の訳は、少し意味を補って
  「望遠鏡の暗黙の利用慣行には、対物により導かれた像を望遠鏡の主体とみなして、対物が固定され、
   焦点を合わせるためにアイピースが移動するという仮定があります。」となるのではないでしょうか。
   (スターテストでは、これとは逆にアイピースを固定します)。
(9/12追記)
・P.12の下から4行目;
 The first conjecture would be that the dark lines were the previously hidden structure of the diffraction
 image that is now exposed because the expanding disk filled it with light. However, this reasonable guess
 is wrong.
 →これは非常に分かり難い英文ですが、図4.1の2つのシミュレーション画像を比較してout-of-focusの
  パターンについて推測したものです。ここで注意する言葉はdark linesが何を意味しているかです。また、
  itが何を指しているかも重要です。(訳例は省略)

2章以降の不明点は、今後掲載予定です。

14年9月9日(火)
下記の話題をHPに載せました;
(1)フランス語の天文情報の読み方
(2)スミス提督の本から:M13

14年9月5日(金)

二重星研究の大家Paul Couteau氏逝去(1923-2014)の報がAstro SURFのフォーラムに載っていました;
http://www.astrosurf.com/ubb/Forum15/HTML/002311.html
長年、仏ニース天文台で二重星の実視観測による研究をされたPaul Couteau氏が先月末に91才で亡く
なられたということです。二重星についての有名な本「英訳では、Observing Visual Double Stars,1981
MIT Press」の著者でもあります。
       

この本の中では、「南仏で、4インチ屈折によりシリウス伴星を見たことがある」という記述が印象に
残りました。
トラクシオン・アヴァン(Traction avant)というフォーラム
http://www.traction-avant.com/forumsn/viewtopic.php?id=11978
のご子息の話には、Paul Couteau氏は「1951年に天文学者としての経歴をスタートし、68才で引退する
まで2,700個もの新たな二重星を発見した。レジオンドヌールシュバリエ勲章受賞。1か月半の生への格闘
の後、逝去」などが書かれています。
謹んでご冥福をお祈りします。

14年8月3日(日)
昨日は北茨城市で行われた「第21回 雨情の里星祭り」に行ってきました。一部雲がありましたが
月や土星などを一般の参加者に見てもらうことができました。
このとき見かけた望遠鏡のいくつかはこちらを参照下さい。

14年7月7日(月)

Star Testingのパワーポイント資料(図解を入れて私が理解した範囲で要点を解説したもの)
が一通り完了しました(12章の色収差を除くすべての章)。スライドの枚数は全部で約300枚です。
かなりの量になったので全部説明すると1日かかりそうです。

14年5月30日(金)

(1)海外天文書紹介として「In Starland With a Three-inch Telescope」を追加しました。

(2)天文以外の話題ですが、最近出版された数学の啓蒙書に面白い本があります;
小島寛之著「数学は世界をこう見る」(PHP新書)

この本は、「中学数学で、現代数学の(いくつかのテーマの)キモを理解する」ことを目標に
書かれていて、実際それをかなり達成していると思います。現代数学のものの見方の一端を
垣間見れることができます。

14年5月11日(日)

リンクのページに、私が所属している「すばる天文同好会」のサイトを載せました。
すばる天文同好会では毎月1回高萩市のさくら宇宙公園で定例観望会を開催しています。

14年5月4日(日)

超新星の発生頻度と銀河系での歴史上の超新星についての興味ある内容がありました;

http://zebu.uoregon.edu/~imamura/122/lecture-9/statistics.html

これによると、「銀河系ではこれまで歴史上観測された超新星(これは歴史的超新星と呼ばれる)は
6個しかない。」そうです。また、「(他の銀河の研究からは)通常の銀河での超新星の発生比率は
25年から100年に1個」だそうです。このことから、この資料では、「天の川銀河の過去1000年の
発生比率は非常に少ないので、近くの(銀河系の)超新星が出現するだろう」と結論づけています。

他の銀河での超新星の発生頻度については、下記の本の第4章「The Top 100 Extragalactic Supernovae」
や第11章「Searching the Messier Galaxies」が参考になります。

http://www.amazon.com/Supernovae-Observe-Astronomers-Observing-Guides/dp/0387352570

この本の175頁には、2006年までにメシエ天体で発見された超新星が一覧表に載っています。M31は1個、
M100は5個、M101は3個、M33は0個など。M天体によりかなりばらつきがある理由としていくつか挙げて
います(銀河がフェイスオンかどうか、中心の眩しいバルジ体に埋もれていないか、その銀河での重い星の
比率、20世紀になってその銀河がどのくらいモニターされていたかなど)。

14年4月29日(火)

今日は福島県矢祭町の滝川渓谷にいってきました。場所は里美牧場へ行く国道349号の福島県に
入ってすぐです。駐車場は50台位入れる広さがあり、周囲は低い山々に囲まれていて街灯もなく
空は暗そうです。天体観測の場所として里美牧場よりも適しているようです。

写真の上は、おぼろ滝。下は渓谷入口の駐車場。トイレも有り。

14年4月25日(金)

Cloudy Nightsの2011年のスレッドに「How to understand an MTF chart...(MTFチャートの理解の仕方...)」
というのがあります。非常に長文の投稿でMTFの具体的な例を説明していています。一部分かり難い文章が
ありますがMTFチャートの理解が深まります。これの要点を図解したものを作成しました。
HPに「Cloudy NightsのMTFの話題紹介」として公開しました。


14年4月24日(木)

1.40cmドブソニアン(ネビュライト40)を車に格納したときの様子です。4インチ屈折も同時に積むことができます。
これまで高萩や里見牧場で使用しました。


2.久しぶりにHPにコンテンツを追加しました。海外天文書紹介で「Star Testing Astronomical Telescopes」です。
 これは、所属している天文同好会でStar Testingの本の要点を紹介するために作成したパワーポイントの資料
 から一部を抜粋したものです(パワーポイントの資料は図を中心に説明していますが、HPの方は文章中心です)。
 パワーポイントの資料は現在、10章まで作成。


14年1月24日(金)

Cloudy NightsのAstrophotography and Sketchingに口径7cm屈折でシリウス伴星を見たというのがありました。
http://www.cloudynights.com/ubbthreads/showflat.php/Cat/0/Number/6312366/page/0/view/collapsed/sb/5/o/all/fpart/1
Sirius and the Pup January 13, 2014
I was observing with my AT72ED (72mm f/6 APO) Sunday night. The skies were the stuff Florida observing legends are made of, 10/10. On a whim I decided to check out the Dog Star. No sooner had I started to check out Sirius that I noticed something in the glare trying to get my attention. Sure enough, the Pup was coming in and out of view. I tried a few eyepieces and settled on my 9mm Orion Expanse, which gives me 48x in this scope. The Pup was a medium-dark bluishgrey and many times I could see definite black between the two stars. I spent the next hour and a half watching the playful pup comingi n and out of view. One thing I think helped immensely was that the moonlight was very bright. Thisbrightens up the background sky and helps reduce the blinding glare of Sirius,similar to what twilight skies do.
これを訳すと下記のようになると思います。

私はAT72ED(72mm f/6アポ)で日曜の夜に観測していました。空はフロリダの観測で語り草になるような10/10(のシーイング)でした。
思いつきで私はシリウスを調べることを決めました。私がシリウスを調べ始めるとすぐ、私の注意を向けさせようとするぎらぎらする光に何かがあるのに気付きました。案の定、シリウス伴星が見えたり見えなくなったりしていました。私はいくつかのアイピースを試し、9mm Orion Expanseアイピースに決めました。それはこの望遠鏡で48倍となります。シリウス伴星は、中位の暗さの青みがかった灰色(medium-dark bluish grey)で、主星と伴星の間に明確に黒いものが何度も見えました。私は1時間半ほどシリウス伴星が見え隠れするのを見ました。シリウス伴星を見るのを大いに助けたひとつには月が非常に明るかったのがあったと思います。これは夕暮れの空がそうであるように、背景の空を明るくし、シリウスの眩しい輝きを減少させるのに役立ちます。

→最高のシーイングと月明かりがポイントのようです。フロリダなのでシリウスの高度も高いでしょう。